ソフトバンク・テクノロジーとテラスマイルが業務提携、農業経営の可視化へ、フィンテック領域のサービスも視野

2016年6月7日 11時16分更新


 ソフトバンク・テクノロジー株式会社(以下 SBT)は、テラスマイル株式会社と、「農業経営の見える化」及び「稼げる農業を支援するレポーティングとコンサルティング」等に関する業務提携契約を締結したことを発表した。
 
 農業経営では、経営数字を知る機会が限られており、農業を事業として維持・拡大することが容易ではない。「当日の出荷量に応じた想定売上がすぐにわからない」、「需要と供給のバランス(稼ぎ時かどうか)をシーズン中に把握する機会がない」、「出荷量や売上に関して地域の平均等と月次で比較する術がない」、「設備や農機等の投資効果を数字で判断できる術がない」、「気軽に生産計画と実績の管理を支援するツールが充実していない」といった課題に農家は直面している。
 
 両社は、そのような農業経営に関する課題について、ICTを活用して解決することを目的として今回の業務提携に至った。
 
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 SBTは、農地情報プラットフォームのサービス開発およびAI農業(※1)やスマート農業(※2)などの新しい農業の実現に向けたIoTサービスの開発などを行っており、クラウドやビッグデータの分析と活用に関する知見・ノウハウを有している。
 テラスマイルは、地方創生で攻めの農業政策を掲げている自治体や、農業分野での新規事業を企画している企業を中心に、ICTやデータを活用した産地戦略のコンサルティング、農業経営の可視化・分析ツールおよびレポート提供等の事業を行っている地方発のスタートアップ企業である。
 
 今後、SBTは、9月からのサービス提供を目標に、テラスマイルが保有する農業経営の可視化・分析ツール及びレポート提供のノウハウを活用し、「農家の売上やコストを可視化し、地方創生や若手農家の所得向上に繋げるための農業経営の見える化サービス」と「農業経営に必要な様々なデータを組み合わせて機械学習(AI)で出荷量等を予測し、有利な条件での取引・販売、受発注を支援する分析レポーティングサービス」の開発を進めていくとのこと。
 
 将来的には、開発したサービス上に蓄積されるデータ等を機械学習で分析し、農機メーカーや農業協同組合、金融機関等の農家支援者向けにレポーティングするフィンテック領域のサービス開発も視野に、2019年度までに累計3億円以上の売上を目指す。
 
※1:アグリ・インフォマティクス農業の略。今後、急速に失われていく可能性のある熟練農家の「匠の技(暗黙知)」を、ICT技術を用いて「形式知」化し、他の農業者や新規参入者等に継承するという観点で、新しい農業として期待されている。
※2:ロボット技術やICTの導入によりもたらされる新たな農業の姿で、「① 超省力・大規模生産を実現、② 作物の能力を最大限に発揮、③ きつい作業、危険な作業から解放、④ 誰もが取り組みやすい農業を実現、⑤ 消費者・実需者に安心と信頼を提供」という方向性を目指している。
 
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 詳細は以下URLを参照して頂きたい。
http://www.softbanktech.co.jp/corp/news/press/2016/050/
 

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