ドコモがネットワーク戦略を発表――「フルLTE」や最速225Mbpsのキャリアアグリケーション導入へ

2014年9月18日 15時57分更新

iPhone6/iPhone6 Plusの発売を9月19日に控えた9月17日、NTTドコモはネットワーク戦略に関する記者説明会を開催し、NTTドコモ取締役常務執行役員ネットワーク部長 大松澤清博氏はドコモの新たなネットワークの取り組みについて説明した。

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「フルLTE戦略」
1.7GHz帯と1.5GHz帯を全てLTEとして活用していく「フルLTE」を発表。20MHz幅の1.7GHz帯(下り最大150Mbps)、15MHz幅の1.5GHz帯、10MHz幅の800MHz帯、15MHz幅の2GHz帯で合わせて60MHz帯を使用することで、「広さ、速さ、快適さ」の三つの点で最強のネットワークを提供できると大松澤氏は語る。

・「広さ」
広さに関しては、LTE基地局を2014年度中に9万5300局に増設すると発表。そして14年度末には現在11万局あるFOMAの基地局とほぼ同等の規模に拡大するという。大松澤氏は「人口カバー率でいうとLTE、FOMAの両基地局ともに99%という数字になり、屋外のみならず屋内でもLTEを快適に使用できるよう準備中である。」と記者の質問に対し説明した。

・「速さ」
2013年9月より提供されている「フルLTE」により、国内最速の(下り)150Mbpsを実現させた。そして高速基地局(112.5Mbps超)は13年度の3,500局の10倍以上にあたる40,000局まで、2014年度中に拡大させるという。

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複数のLTE周波数を束ねて高速化を図るキャリアアグリゲーション(CA)の導入も予定していると発表した。これは「LTE-Advanced」の技術の1つであり、ドコモは30MHz幅を利用した下り最大225MbpsのCAの最終フィールド試験を今年12月に控えており、14年度中にはこのサービスを(端末)カテゴリ6にて開始予定であるという。
CAで組み合わせる周波数については、例として全体のトラフィックの3分の2を占める東名阪をあげ、下り最大75Mbpsの800MHz帯と下り最大150Mbpsの1.7GHz帯を利用したCAを、東名阪以外の場所では下り最大112.5Mbpsの2GHz帯と1.5GHzを利用したCAをそれぞれ活用できるであろうと大松澤氏は答えた。しかし基地局の設置予定場所や具体的な数値目標は明確にされなかった。

またビジネス街や繁華街等の通信トラフィックが集中する場所に配置し、マクロセル中に更に小さなセルを入れ、効率的にコントロールすることで、無線容量の拡大とスループットの向上を図れる「アドオンセル」という技術を活用することで、トラフィックが集中する場所であっても、快適な通信を実現できるという。

・「快適さ」

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1.7GHz、1.5GHz、800MHz、2GHzの4つの周波数帯を「クアッドバンドLTE」とし、各場所に合わせた快適な通信を提供すると大松澤氏は語った。さらに都市部を中心とした通信トラフィックが集中する場所に高速LTEエリアを増強し、JR山手線や大阪環状線での快適な通信、新幹線・全国主要63路線でのパケット通信品質の向上、首都高等の交通動線における音声品質の向上など、利用シーンに合わせた快適な通信への取り組みにも尽力する。

新通話サービス「VoLTE」と災害時の通信
2014年6月より他社に先駆けて提供している新通話サービス「VoLTE」だが、現在ドコモ夏モデル5機種の約100万台がVoLTEに対応しており、既に800万人以上の利用者数がいるという。さらに「VoLTE」は9月19日発売予定のiPhone6/iPhone6 Plusにも提供を予定していると発表。
また基地局の災害時における大ゾーン運用や、災害対策車両の配備により災害や故障の発生時でも安定した通信を確保されると、ドコモのネットワークの信頼度の高さを強調した。

■iPhone6/iPhone6 Plus
最後に9月19日発売予定のiPhone6/iPhone6 Plusについて、下り最大225MbpsのCAには対応しないが、全国で15MHz幅の2GHz帯、10MHz幅の800MHz帯、東名阪では20MHz幅の1.7GHz帯で通信ができ、下りの最大通信速度は800MHz帯が75Mbps、2GHz帯が112.5Mbps、1.7GHz帯が150Mbpsとなると発表された。

質疑応答にて各キャリアがそれぞれ「顧客満足度ナンバー1」をうたう現状について、記者から「我々は何を信じればいいのか」という鋭い質問に言葉を濁す場面もあったが、発売を目前に控えたiPhone6/iPhone6 Plusの強みはやはりネットワークの快適さであると大松澤氏は語る。

iPhone6/iPhone6 PlusはCAやVoLTE、TD-LTEに対応したことでキャリアの持つ総合力が競争に問われることになった。ドコモは従来のiPhoneと比べてVoLTEのみに新たに対応したのみで、「クワッドバンドLTE」も4つのうち3つの周波数帯しか使えないなど、「WiMAX2+」や「SoftBank 4G」に新たに対応した他キャリアと比べると苦しいようにも見える。今回発表された「フルLTE」で他キャリアとどこまで差を付けられるのか、派手なキャンペーンやキャッチコピーに惑わされず、ネットワークの実態を把握していきたい。

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