これからは「世界のソフトバンク」へ、孫氏は元Google No.2のニケシュ氏を後継者指名――ソフトバンク決算説明会

2015年5月12日 14時20分更新

 5月11日、ソフトバンクは2015年3月期の決算を発表した。決算説明会で登壇した孫氏は冒頭に「これからは第二のソフトバンクとして世界のソフトバンクになりたい」と語り、今後の事業方針の説明を行った。

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 2014年度の売上高は前期比30%増の8兆6702億2100万円、営業利益は同8.8%減の9827億300万となった。これは昨年にガンホーやウィルコムを子会社化したことによる一時益によるもので、その影響を除くと19%増。また純利益は前期比29%増の6684億円となっている。

・通信事業

 モバイル事業の営業利益は69,53億円に達し、ボーダフォンを買収して以来9倍に成長。またワイモバイルも新規獲得数は前年比39%増、スマートフォンの周辺機器を扱う「SoftBank SELECTION」も売上高は281億円に達して5年で7倍になるなど順調に売上を伸ばしている。
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 ネットワークの面でもここ一年半で大幅改善され、今は日本で一番つながると孫氏は自負。当初は内部の人間すら疑っていたが、今は疑う余地もない。国内の通信事業は十分に成長させ、運営していく体制が整ったと語る。そのため設備投資の額を本来のまで落とすことで、十分なフリー・キャッシュ・フローを創出し、借入金の返却等に回せるようになったという。

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 懸念される課題としてアメリカのSprint事業が挙げられたが、こちらに対しても改善の道筋が見えてきたと手応えを感じていると話す。ネットワークの品質を高めた結果、契約数はついに純増へ転換し、解約率も大幅に改善。更に次世代のネットワークの構築には孫氏自らが関わっており、その最中にて自信が出てきて、Sprintに明るい兆しが見えてきたと語った。

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・インターネット事業

 現在のソフトバンクは通信事業とインターネットの事業に取り組んでいると孫氏は説明する。これまでは通信インフラの構築にほとんどの精力を注ぎ込んできたが、これからは世界のソフトバンク、インターネットのソフトバンクに矛先を向けていくと方向性の転換を表明した。

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 インターネット事業において、ソフトバンクは世界中のインターネット企業へ投資や事業連携、グループ化に取り組んできた。その最たる成功例はアリババだ。ウォルマートの取扱高に匹敵するレベルまで成長し、純利益で6700億を越えている。孫氏は次の10年のアリババに向けて非常に明るい未来があると話し、アリババを中心に楽しみアジア展開を予定しているという。

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 この他ヤフージャパン、GUNG HO、supercell、インドのeコマース企業であるsnapdeal、インド版UberといえるOLA、インドネシアのECサイトのトコペディアなど、多くの企業が成長していることが紹介されたが、孫氏はこれら企業を戦略的企業集団と位置づけ、引き続き様々な投資を行っていく構えを示した。

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・テクノロジー企業の問題点、革新的な起業家集団

 孫氏はこれまでソフトバンクが順調に成長してきた一方で、テクノロジー企業の共通の問題点があると持論を語る。それは「30年ライフサイクル」であり、成長率のサイクルが30年経つとほとんど利益が伸びなくなるものであるという。かつてIT企業の大成功した会社も、続々とピークを過ぎその成長が止まってきている指摘。その原因はテクノロジー、創業者、ビジネスモデルの3つのファクターの陳腐化にあるという。

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 それはソフトバンクにとっても例外ではないとし、その解決策はなにか。それはソフトバンクは次の30年も大企業に成り下がることはないということであり、それは最大の屈辱であると孫氏は語る。30年たってもベンチャーでいたい、輝きつづけていたい、そうなるためには革新的な起業家集団である必要があるという。

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 インターネット企業への投資はこうした考えによるものであり、ソフトバンクは筆頭株主としてパートナーとして、お互いにシナジーを出し合っていく目的で行われている。同じ起業家、野心あふれる者として、同じカルチャー、視線で一緒にビジネスモデルを改革し、挑戦していく。そうしたソフトバンクは野心的な起業家集団そのもだと捉えていると孫氏は話す。
 国内で確立したビジネスモデルを世界展開するのは難しいため、日本独自でつくったものを世界に持ち込むのではなく、世界の起業家と共につくっていく。それが大企業にならないための方法であり、またおそらく世界で初めて創ったビジネスモデルではないかと孫氏は自負する。

 また孫氏は最後にこれから「世界のソフトバンク」になるにあたり、素晴らしいパートナーに巡りあったとしてニケシュ・アローラ氏を紹介。ニケシュ氏はGoogleの元上級副社長兼最高事業責任者というナンバー2の地位としてのキャリアを持ち、そのため世界中のインターネット企業や優秀な人材とのつながりをもっているという。彼はソフトバンクの代表取締役副社長に就任予定であるとし、また事実上の「後継者」であることも明かされ、決算説明を終えた。

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