NTTドコモ、吉澤和弘氏が新社長に就任、パートナーとの協業でイノベーションを目指す

2016年6月20日 20時03分更新

 NTTドコモは6月16日、新社長である吉澤和弘氏の就任会見を実施した。吉澤氏は就任会見で、「更なる価値をお客様・世の中に提供し続けるがドコモの使命だと考えている」と意気込みを語り、その使命を果たすために「モバイルICTの高度化」「新たな発想」「スピード」の3つを掛け合わせて進めていくと述べた。
 
 吉澤氏は、ドコモの具体的な取り組みとして、「サービスの創造と進化」、「+dの促進」、「あらゆる基盤の強化」の3本柱があるとした。
 1本目の柱である「サービスの創造と進化」は、「お客様一人一人、あるいは家族に対してもっと楽しく安全なサービス提供をするため」であり、具体例として、クラウド人工知能の研究開発を進めており、生活に溶け込むパーソナルエージェントのようなサービスを作り上げたいとした。
 2本目の柱である「+dの促進」では、パートナー企業のアセットの強みを足し合わせ、付加価値を加えたサービスを提供し、企業との付き合いをさらに強くしていきたいという強い思いを述べ、「地方創生」と「2020」という取り組みの中で、新たに「スポーツ」や「観光」の分野に目を向ける必要性に触れた。 
 そして3本目の柱である「あらゆる基盤の強化」では、コスト構造の改革、PREMIUM 4Gの拡大や5Gの研究開発などネットワーク基盤のさらなる高度化、家族利用の促進、キャリアフリーのサービス拡充、そして会員ビジネスによる顧客基盤の強化を掲げた。
 吉澤氏は、「パートナーから様々なアイディアを受け入れイノベーションを目指す「オープンな会社」、社員ひとりひとりがイキイキと楽しく仕事出来る「楽しい会社」、お客様サービスの向上と企業の持続的発展の両面を実現できる「健全な会社」、この3つが実現できる会社にしたい」と抱負を述べ、挨拶を締めくくった。
 
 また、コンテンツサービス「dマーケット」などを含むスマートライフ領域については、電気通信分野の収益が簡単に伸びない中、スマートライフ領域の収益を伸ばしていき、取扱高を数年後には電気通信(現在の3兆円規模)と同じにしたいとして、今期1200億円の営業利益目標に対し、早い時期に2000億円まで持っていきたいと思いを述べた。また、スマートライフ領域の営業利益が経営において重要な数値指標になるとした。
 
 MVNOについては、接続料の値下げなど、ドコモがMVNO市場の拡大に寄与してきたことをアピール。そして、B to B向けのIoTで活用されていることに触れ、MVNO事業者との協業も含めて今後のMVNO市場の拡大・発展に寄与していきたいという考えを述べた。
 
 スマートフォンの契約者が6割にとどまっていることについては、当初はすでに8割程度になっていると思っていたが、フィーチャーフォンの出来がよく、今の使い勝手で十分だという顧客が少なくないとし、LTE利用可能なAndroidフィーチャーフォンを出す計画をしているという。タブレットと2台持ちをするユーザーが増えていることもあり、スマホの比率は上げていきたい考えだ。
 
 +dに代表されるパートナーとの協業について強く語る印象が強かった吉澤新社長の就任会見。電気通信という領域での成長が大きく見込めない中で、新たな領域で、パートナー企業とともに付加価値を提供し、さらなる成長を目指すドコモ。新たな経営者のもとで動き出した同社の今後の動向に注目していきたい。
 
 
 

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