ソフトバンクモバイル、車載係留気球Wi-Fiシステムを開発

2014年8月13日 14時46分更新


・車載係留気球Wi-Fiシステムを「コミックマーケット86」で運用

・災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させたりすることが可能に

 
 
 ソフトバンクモバイル株式会社は、屋外で開催される大規模イベント会場において快適なデータ通信サービスを提供するために、車載の係留気球によりWi-Fi基地局を地上数十メートルの高さに揚げて広域のサービスエリアを迅速に構築する「車載係留気球Wi-Fiシステム」を開発したと発表した。

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 同社では災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させることを目的として、2013年3月に第三世代移動通信システム(W-CDMA)を対象として係留気球を利用した臨時無線中継システム(以下「気球無線中継システム」)を開発した経緯がある。今回開発した車載係留気球Wi-Fiシステムは既存の気球無線中継システムを大幅に改良し簡素化したもので、車外に広い作業スペースを必要とせず会場到着後約30分程度でサービスを開始できる。

 車載係留気球Wi-Fiシステムでは気球を膨らませ、Wi-Fi基地局を気球に取り付けて地上数十メートルの高さに揚げサービスを開始する。一連の作業を全て車載の係留気球ボックス内で行うため、車外に広い作業スペースを必要とせず、風速10メートル以上の強風でも迅速に作業を行うことができる。

 また車載係留気球Wi-Fiシステムは、快適かつ大容量のWi-Fi通信を実現するために開発した移動測定車に設置する「5.6GHz帯空間分割マルチチャネルWi-Fiシステム」と組み合わせて運用。空中から広域のエリアを車載係留気球Wi-Fiシステムでカバーし、高密度トラフィックのエリアを5.6GHz帯空間分割マルチチャネルWi-Fiシステムでカバーすることで、大規模イベントで発生する大量の通信トラフィックを効率よく処理することができるという。

 これは大いに期待したい。緊急性がある場合への対応はもちろん、世界各地でどこでもWi-Fi環境を整えられることができるという夢のようなサービス。是非実用化を進めて欲しい。

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