ドコモとエリクソン、ネットワークスライシング技術の実証実験に成功
2016年6月14日 13時57分更新
株式会社NTTドコモとエリクソンは、第5世代移動通信システム(5G)の実現に向け、ユーザーが利用するサービスに合わせて効率的にネットワークを提供するネットワークスライシング技術の実証実験を行い、複数の異なるサービスをそれぞれのサービスに合った効率的なネットワークに収容することに成功したことを発表した。
ネットワークスライシング技術とは、低遅延・高信頼・高セキュリティ等、様々な要求条件が求められる5Gにおいて、ネットワークを仮想的に分割(スライス)することで、ユーザーが利用するサービスの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術。
同実験では、サービスの要求条件に基づき自律的に最適なネットワークスライスを選択または作成する機能を新たに追加することで、複数の異なるサービスを最適なネットワークスライスを通じて提供することに成功。ドコモは、ネットワークスライスを選択または作成する機能の設計を行い、エリクソンはエリクソンのクラウド製品を用いてネットワークスライスのサービスを管理する基盤を実装した。
同実験の成功により、1つのネットワークにすべてのサービスを収容する現在の運用とは異なり、共通のネットワーク基盤上にネットワークスライスをサービスごとの要求条件に合わせて仮想的に構築し収容することで、サービスに必要な高いレベルの要求条件を効率的に実現できるようになるとのこと。
また、1つの端末が複数のネットワークに並列して接続できるようになるため、たとえば、コネクテッドカーにおけるV2X通信※1 (高セキュリティ、低遅延)と、インフォテイメントサービス※2 (広帯域)等、大きく異なる要求条件を持つ複数のサービスを1つの端末で利用することが可能になるという。
※1 自動車と自動車、道路設備(信号等)や歩行者との通信を行うことで、自動運転につながる技術
※2 情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテイメント)を融合したサービスで、車内での映像・音楽や地図・渋滞情報などのサービス
■実証実験の概要
1. 実験内容
複数のサービスを、それぞれのサービス要求条件に応じて最適なネットワークスライスを通じて接続させる。また、適切なネットワークスライスが無いと判断した場合には新規にネットワークスライスを作成する。
2. 実施場所
Ericsson AB
Lindholmspiren 11, 417 56 Goteborg, Sweden
3. 実施期間
2016年6月7日(火曜)から2016年6月9日(木曜)まで
4. 役割分担
ドコモ : ネットワークスライスを選択または作成する機能の設計、提案
エリクソン : ネットワークスライスのライフサイクルとサービスを管理する技術を開発
5. イメージ図
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