ソフトバンク、超小型アンテナを使用したテラヘルツ無線通信に成功
2021年1月14日 12時05分更新
岐阜大学、ソフトバンク、情報通信研究機構(NICT)、National Research Tomsk State University、Tomsk Polytechnic Universityの研究グループは、Beyond 5G/6G1時代を見据え、300GHz帯テラヘルツ無線で動作する超小型アンテナを使用した通信実験に成功したことを発表した。
近年、無線通信の高速化・大容量化の要求によって、100Gbps以上の伝送速度を実現するBeyond 5G/6G技術に関する研究開発が世界的に開始されつつある。300GHz帯テラヘルツ無線は、5Gで利用されるミリ波帯と比べて、より広い周波数帯域が利用可能なため、超高速無線システムの候補として期待されている。一方、スマートフォンに搭載可能なサイズで利得の高いアンテナの開発と、そのアンテナを使用して実用的に通信を行うことが課題となっている。
このたび同研究グループは、昨年開発した、フォトニックジェット効果3を用いた小型の誘電体アンテナ(1.36mm×1.36mm×1.72mm、開口面積1.8mm2、利得およそ15dBi)を使用して、600mmという小区間で17.5Gbpsの通信実験に成功した。この距離は最初の一歩として、テラヘルツ帯がスマートフォンなどの近距離通信に使えることを示し、また現在開発が進められている300GHz帯テラヘルツ無線に対応するトランシーバーの出力と受信感度の性能が向上することで、より長距離の通信への可能性を示すものである。
今後は、超小型アンテナを相互に用いた300GHz帯テラヘルツ無線通信のユースケースや、無線送受信機の実現可能性を調査するとしている。
<超小型アンテナ(白い立方体部)による通信試験>