IIJ、LoRaWANソリューション展開において台湾Kiwi Technology Inc.と協業を開始
2019年9月24日 10時50分更新
株式会社インターネットイニシアティブとKiwi Technology Inc.(本社:台湾新竹県)は、IoT活用に向けたLoRaWAN(ローラワン)の展開において協業することを発表した。両社はKiwitec製LoRaWANゲートウェイ機器において独自の機能拡張を行い、LoRaWANソリューションとして様々なIoT分野に対して2019年11月1日より展開する。
LoRaWANは、低消費電力かつ長距離通信を特徴とする無線通信技術で、免許が不要な周波数帯域を利用することで、誰でも手軽に利用することができる。最大で10km以上の通信距離を確保できるほか、その省電力性から、乾電池で数年動くセンサーが開発されるなど、IoTに適した技術としてグローバルで広く普及している。Kiwitecは2015年からLoRaWANの成長性、可能性に着目し、同技術に対応した独自のゲートウェイ(基地局)やモジュール、センサーデバイスなどを開発、販売している。
一方、IIJでは、2016年にIIJ IoTサービスを開始し、本格的にIoTビジネスを展開してきた。2017年には農林水産省の公募事業として、IoTを活用し水田の水管理コストを削減することを目指した実証実験に取り組んでおり、同実証でKiwitecのLoRaWANゲートウェイを設置し、水田センサーからのデータをLoRaWANで収集するシステムの研究開発を行っている。
この実証を通じて、IIJとKiwitecはお互いの技術を集結し、IoT分野におけるさらなるLoRaWAN活用を推進すべく協業することに至った。両社は、Kiwitec のLoRaWANゲートウェイに対し以下の2つの独自機能を追加し、中小規模でも容易に構築、導入できるようなIoTシステムを提供していく。
・ビルトインサーバ機能
LoRaWANを利用するには、センサーやゲートウェイなどの端末管理および通信の暗号化・復号化を行うためのシステム「ネットワークサーバ」が必要。通常、ネットワークサーバはクラウド上に構成することが一般的だが、これをLoRaWANゲートウェイ機器そのものに実装し、ネットワークサーバ機能をビルトインした。システムをシンプルに構成できるようになるとともに、独立したネットワークサーバが不要になり、運用負荷や構築費用を大幅に軽減することが可能になる。
・SACM機能
SACM (エスエーシーエム:Service Adaptor Control Manager)は、IIJが開発・提供するネットワーク機器の集中管理サービスで、機器の自動接続と一元管理を遠隔から実現できるマネージメントシステム。同機能をLoRaWANゲートウェイに実装することで、ゲートウェイの設定の自動化やファームウェア更新、各種オペレーションを遠隔から行うことが可能になる。
LoRaWANゲートウェイはその性質上、屋外の高所に設置されることも多く、そのような現地でのメンテナンスが難しい場合でも、SACMによるリモート管理で機器の管理・運用が容易に行える。
<イメージ>
<独自機能を実装したLoRaWANゲートウェイ機器>
<その他のLoRaWAN製品群>