フィーチャーフォンを使い続ける理由とは――GfK Japan「携帯電話の利用実態調査」

2014年11月17日 16時00分更新


ジーエフケー マーケティングサービスジャパン株式会社は携帯電話ユーザーに対して購入状況・利用状況などに関するアンケート調査を実施し、その調査結果を11月6日に発表した。調査期間は2012年10月~2014年8月。調査方法はインターネット調査で、対象は 18~69歳の男女、サンプル数は8,552となっている。

 国内携帯電話市場におけるフィーチャーフォンの販売数量構成比は2012年下半期より2014年上半期にかけてほぼ横ばいで、約4台に1台はフィーチャーフォンが売れている状況。同じアジア圏の先進国である韓国ではフィーチャーフォンが市場に占める割合は1割程度であるので、日本のフィーチャーフォンの構成比は高いといえるとレポートでは指摘している。

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 18歳から69歳の男女携帯電話ユーザーのうちスマートフォン非利用者に対し、スマートフォンの購入を検討しない理由を調査したところ、「フィーチャーフォンで不自由ない」という回答が64%で最も多かった。次いで「月額利用料が高い」が42%、「機種の価格が高い」が24%と、費用に関するものが続いている。

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 現在のフィーチャーフォンユーザーはいわゆるライトユーザーが多いため、SIMフリースマートフォンやいわゆる「格安SIM」を販売するMVNO事業社は価格面でライトユーザーへの訴求力が強く、また市場も2013年末より数量が伸び始め、2014年9月の対前年同月比は約1600%増となっており、今後のの動向が注目されるとしている。

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 またスマートフォンからスマートフォンへの買い替えの伸び悩みもフィーチャーフォン構成比の押上げ要因となっていると分析している。端末の使用期間を調査したところ、調査期間2012年は1.7年であったが、2013年では1.9年、2014年では2.0年と徐々に長くなっており、この端末の使用期間の長期化が買い替えの鈍化につながっているという。これはスマートフォンの各機能の向上が進みスマートフォンの問題点が減ったことが一つの要因とみられるとしている。

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 例としてバッテリー性能への不満が年々軽減していることが挙げられ、過去3回の集計結果によると、スマートフォンへの不満トップにあがったのはいずれの期間でもバッテリーの持ちの悪さであったが、2013年上半期では39%、同下半期では29%、2014年8月は19%とバッテリーの容量に不満を感じているユーザーの割合は約1年で20%減少しているという。実際、Androidスマートフォンは容量3,000mAh以上のモデルのシェアが2013年1-3月から2014年7-9月にかけて伸長しており、バッテリーの大容量化が進んでいることがわかる。

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 フィーチャーフォンを利用するライトユーザーに対して、MVNO事業社が価格面で十分に訴求性を備える反面、そうしたライトユーザーはリテラシーに疎く、MVMO自体の認知度やキャリアショップを持たない販売形態、SIMカードの抜き挿しなど、障害が多いのもまた事実である。業界でもこうしたユーザーに働きかけるため、例えば格安スマートフォンを販売するプラスワン・マーケティングではキャリアショップのように予め設定を全て済ましてから商品を発送するキッティングサービスを含めた格安SIMサービスをスタートするなど、新たな試みもみられる。また一方で「フィーチャーフォンで不自由ない」という人々に、スマートフォンを活用した魅力的なライフスタイルの提唱も、スマートフォンの普及には重要になってくるだろう。

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