2018年度の固定ブロードバンドサービス加入者数は4,025万件、前年比62万件増 ―ICT総研調べ
2019年8月21日 11時50分更新
ICT総研は、「2019年度 ブロードバンドサービスの市場動向」に関する調査を実施し、その結果を発表した。この調査結果は、電気通信事業者、関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザーへのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものとなっている。
2018年度(2019年3月末)の固定ブロードバンドサービスは4,025万件で前年比62万件の増加
光回線(FTTH)、ADSL、CATVインターネットを合わせた固定ブロードバンドサービスの加入者数は、2019年3月末時点で4,025万件となった。固定ブロードバンドサービスの総加入者数は前年と比べて62万件増で伸び率は1.6%となった。
4,025万件のブロードバンドサービスのうち、光回線は3,166万件で79%を占める。2018年度の1年間における光回線純増数は106万件となり、純増数は前年の114万件を下回った。ADSL回線はさらに減少傾向が続いており、累計173万件で前年から42万件の減少となっている。CATVインターネットは686万件で前年の688万件から2万件減少した。
動画配信・音楽配信サービスなどの大容量データ通信ニーズが高まっていることを背景に、固定ブロードバンドサービス市場の成長は続いているようだ。
2019年度のFTTH加入者数は3,250万件へと成長、 2020年度には3,315万件へ
光回線サービス(FTTH)の累計加入者数は、2018年度末時点で3,166万件に達した。2015年からNTT東西によるコラボ光サービスが開始され、4年が経過した2019年3月末には、コラボ光サービス契約数は1,269万件へと成長している。2019年度末にはNTT東西合計でコラボ光サービスは、1,400万件近くに拡大すると見込まれており、フレッツ光サービスのうちコラボ光契約数は64%に達する見通しだ。
コラボ光の市場が拡大したことで2016年度はISPの契約数も回復したが、2017〜2018年度はやや停滞気味となった。ICT総研は、2019年度は純増数が84万件で累計3,250万件、さらに2020年度末には3,315万件に成長すると予測している。
2Gbps以上の超高速固定回線を望むユーザーは9.7%、5G回線希望者は11.6%
高速ブロードバンドサービスは2Gbps以上の超高速サービスや5G規格のモバイル・インターネットなどさらに高速・高品質サービスが普及していく見込みだ。2,622人の固定ブロードバンド利用者にアンケートを行ったところ、切り替えたくない(今のままで良い)と回答した人は40.7%、「その他・不明」も含めれば8割近い人が現状のサービスで満足していると言える結果となった。
2Gbps以上の固定回線を利用したい人は9.7%、5G対応のWi-Fiルーター(据置型を含む)を希望する人が6.0%、5G対応のスマートフォンを利用したい人が5.6%であった。この結果から、既存の固定ブロードバンドサービスからこれらの新しいサービスに切り替えるユーザーが一定数存在していることがうかがえる。
利用者満足度はeo光 が68.5ポイントで1位、J:COM NET光が66.6ポイントで2位
ICT総研が実施したWebアンケート調査では、固定ブロードバンドサービスの利用者による顧客満足度は、eo光の満足度ポイントが68.5ポイントで1位となった。続いてJ:COM NET光の満足度ポイントが66.6Pで2位、auひかりが66.0P で3位となり、NTTフレッツ光(コラボ光でないもの)は65.5Pで平均値を上回る満足度を得る結果となった。
今後のブロードバンドサービス市場について、ICT総研は、「動画サービスなどの普及によって、これまで以上に高速・高品質なサービスが求められており、各社から新たなサービスが提供されることになりそうだ」として、「全てのブロードバンドサービスのうち、1ギガbpsを超える超高速サービスの利用率は約7%に達しており、今後はさらに利用率が高まる見込みだ」としている。