【CEATEC 2014】NTTドコモの少し先のウェアラブルデバイス――おサイフケータイジャケット、ポータブルSIM、YUBI NAVI

2014年10月17日 10時24分更新


 CEATEC2014のNTTドコモのブースでは次世代の通信規格である5Gの紹介を始め、ドコモが掲げる「スマートライフ」の実現に向けての少し先の未来のサービスや最新技術が紹介されていた。本稿ではその中でも興味深いと感じたウェアラブルデバイスについて取り上げたい。 

・おサイフケータイジャケット

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 先日発表されたばかりである「おサイフケータイジャケット」が展示されていた。iPhoneはNFCに対応していない(iPhone6はApplePayのみに対応)ため、従来はおサイフケータイ機能を使用することはできなかったが、この「おサイフケータイ ジャケット」によりiPhoneでも利用できるようになる。対応機種はiOS 7.1以上のiPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s、iPhone 5c、iPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデルとなっている。
 ジャケットと謳っているが、本体は灰色のカード型デバイスだ。BluetoothでiPhoneと接続し、複数のサービスでも1つの専用アプリで初期操作や各種設定が行える。ジャケットを使って常にiPhoneと接触させなくても、iPhoneと分離させて使うこともできるので使い勝手は良さそうだ。本体にリチウムイオンバッテリーを内蔵し、連続使用時間は2.5ヶ月。充電はmicro USB端子で行なう。現時点での対応サービスはANAの「スキップサービス」とヨドバシカメラの「ゴールドポイントカード」。12月以降にドコモ「iD」とJCBの「クイックペイ」、時期未定であるが「楽天Edy」と「Ponta」への対応も予定しているという。販売は10月下旬より全国のドコモショップで、およそ5000円の予定とのこと。

・ポータブルSIM

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 今年6月に開催された「Mobile Asia Expo 2014」にて発表された、ポータブルSIMの展示・実演も行われていた。ポータブルSIMにSIMカードを挿し、スマートフォンにかざすだけで、SIMカードが入っていない端末でも通話やデータ通信が可能になるというもの。ポータブルSIMと端末の接続にはNFC、Bluetoothを利用する。
 用途としては1枚のSIMカードで、いちいち抜き挿しすることなく複数の端末の使い分けができるようになる他、認証する端末によってアプリに制限をかけたり、壁紙を変えられたりするので、家族で1枚のSIMカードを共有する際に子供向けに制限をかけたり、ビジネス向けでは不要なアプリを使えなくしたりといった利用シーンが挙げられる。またログイン履歴やパスワードをSIMに保存できるため、ポータブルSIMをかざすとアクセスできるようになる、といった利用もできる。
 本体にはリチウムイオンバッテリーを搭載し、連続使用時間は約3.5日のとのこと。またBluetooth、NFCに対応していれば使えるというわけではなく、端末に特殊なカスタマイズが現状では必要であり、端末へのひも付けは課題となっている。
 本体の形状も用途によって使い分けることも想定しており、ブースではカード型やコイン型等、多様な形状が展示されていた。将来的には自宅のカギとしての利用や、ポータブルSIMを身につけている本人しか端末にアクセスできないようにするなど、セキュリティ面での実用化が見込まれそうだ・

・YUBI NAVI

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 「YUBI NAVI」は情報を触覚を楽しむことをコンセプトに開発されたスティック型のデバイスだ。Bluetoothでスマートフォンと連携し、触覚を通じた簡単なコミュニケーションをとったり、歩行中のナビゲーションでの用途を考えているという。
 ナビゲーション機能では、このデバイスを握って歩くことにより、曲がり角でデバイスが振動し、曲がるように指示してくれる。これにより端末を見たまま歩く「歩きスマホ」をしなくて済むようになる。ブースではこのナビゲーションの体験コーナーが設けられていた。
 またコミュニケーション面の機能では、デバイスを握った際の強弱や指の動きを、同じようにデバイスを握っているユーザーにそのまま伝えることができ、触覚を通じたコミュニケーションを実現させている。

 まだ開発段階であり、商品化の目処も立っていないとブースの説明員は解説する。ソフトはスマートフォンのアプリ依存のため、これからAPIの公開してGoogle Mapsなどの対応アプリを増やしていく他、デバイスの形状もスティック型だけでなく、リストバンドや手袋といった様々な形を模索していくという。将来的にはテーマパークや美術館などなどで実用化できれば、とのこと。

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