スマホ所有率6割超えるも未だ従来型携帯電話保有の多い日本「世界モバイル利用動向調査」―デロイトトーマツ
2017年12月14日 11時47分更新
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界33ヶ国・地域を対象に実施した「世界モバイル利用動向調査について、日本とイギリス、ドイツ、中国、オーストラリア、カナダの6ヶ国を比較分析した結果をまとめて発表した。
スマートフォン所有率6割を超えるも未だ従来型携帯電話保有の多い日本。購入チャネルはオンラインが増加傾向。7割がキャリアショップに期待するサービスなしと回答。2割が携帯電話の「使いすぎ」を認識。音声アシスタント利用は1割程度で用途は検索や天気の確認が多数。
世界モバイル利用動向調査は、スマートフォンなどモバイル機器の所有や購入チャネル、買い替え頻度、中古売却、携帯電話販売店の利用動向、契約データ通信量、Wi-Fi利用率、スマート家電の利用動向、コミュニケーション手段利用率、携帯電話の利用習慣、音声アシスタントを含む携帯電話に搭載されたテクノロジーの利用動向など多岐に渡る項目を調査・分析し、日本におけるモバイル利用の現状と課題を明らかにしている。
【レポートに掲載されている主な調査内容 】
◇デバイス所有状況(デバイス所有/携帯電話の買い換え)
スマートフォン、携帯電話、PC、タブレット、電子書籍リーダー、スマートウォッチ、VR機器などの所有率/スマート家電、ワイヤレススピーカーなどIoTデバイス所有率/スマート端末のセキュリティリスク認識/携帯電話の買い替え予定時期/これまで利用していた携帯電話の処分方法
◇キャリア/店舗(契約キャリア/キャリア選択/通信量/Wi-Fi)
契約している携帯電話会社/契約月間データ通信量/Wi-Fi接続割合/携帯電話会社に求めるサービス/スマートフォンの入手方法/携帯電話ショップの利用目的/キャリアショップに求めるサービス
◇携帯電話で何をするか(SNS、アプリに利用、送金・支払い)
携帯電話で利用しているコミュニケーション手段/携帯電話で行ったことがある行動/携帯電話で行ったことがある送金・支払い
携帯電話の使い過ぎ意識/携帯電話の利用シーン
◇テクノロジー(バイオメトリクス、バーチャルアシスタント、AI)
指紋認証システムの利用状況/本人認証に使っている機能/音声アシスタントの認知・利用率/音声アシスタントの使用目的
位置情報サービスの認知・利用率
なお、調査結果の詳細については(https://www2.deloitte.com/jp/mcs2017)
【世界モバイル利用動向調査・分析結果のサマリー】
◇モバイルデバイス所有
日本におけるスマートフォンの所有率は昨年より伸長したものの6割と他国より低い。その一方で、従来型携帯電話の所有率は2割と他国より高く、3G時代のガラパゴス色は弱まっているものの、依然としてユニークな市場環境である。
日本では昨年より携帯電話とタブレットの所有が増加しているが、PCデスクトップもノートも微減であり、メインで利用されるデバイスが交代しつつあると推察される
日本の携帯電話所有率は82%で、うちスマートフォン所有が6割、従来型携帯電話が2割と、スマホ所有が7割を超える他の分析対象5ヶ国との違いが目立つ
◇購入チャネル、キャリアショップの利用意向
スマートフォンの購入は店舗での購入が主流であるが、オンラインでの購入も増加している。店舗への訪問目的の4割は機種変更であり、店舗独自の取り組みが訪問の目的となっていない。また、「キャリアショップに期待するサービスがない」と7割以上が回答しており、顧客とのタッチポイントである店舗の運営を見直すことが求められていると考えられる。
日本では未だ店舗での購入が最も多いが、オンラインでの購入が増加している。店舗もオンラインも携帯事業者からの購入が最も多い。
日本では7割以上がキャリアショップに期待するサービスがないと回答。消費者との直接接点として、店舗の位置づけを見直す段階に来ていると言える。
◇スマートフォン利用
日本ではスマートフォン所有者の2割が「使いすぎている」と認識するほど携帯電話は日常生活に浸透している。また、LINEが年代を問わず広く使われており、若い世代になるほどメールや音声電話など従来型のコミュニケーションからインスタントメッセージアプリやSNSへの切り替えが進んでいる。
日本ではスマートフォンを持つ回答者の2割以上が自分自身およびパートナーが、また1/3が自分の子供がスマートフォンを使いすぎていると感じている。
日本ではメッセージアプリ、SNSがコミュニケーションに多く利用され、メール、音声電話といった従来の手段から、世代の若い順にスイッチしている様子がうかがえる。
【調査概要】
調査形式:オンラインアンケート(PC、スマートフォン等)
(デロイトが設計した調査項目をもとに外部調査会社にて実施)
対象国:33ヶ国・地域(対象国はレポートを参照)
全調査人数:53,150人
対象年齢:16歳以上
調査期間:2017年7月から8月
・イギリス・ドイツ・中国・日本・オーストラリア・カナダについてはその国の年齢・性別・地域・社会経済状況を反映したデータとなっている。
・サンプル数は、イギリス4,153、ドイツ2,000、中国2,001、日本2,003、オーストラリア2,002、カナダ2,002となり、対象サンプルの年齢は中国は18~50歳、イギリスは16~75歳、その他の国は18~75歳。
・同調査はウェイトバック集計後の数値で表記している。