タブレット端末市場、2015年度には1000万台へ

2014年6月1日 17時13分更新


・2013年度の国内タブレット端末市場は前年度比46%増の713万台
・2013年度のiPad出荷台数は320万台でシェア45%、Androidを僅差で上回る
・2014年度の国内需要は890万台、2015年度に1,000万台を超える市場へ
・世界タブレット端末市場は2013年に2億台を突破、2016年に3億1,670万台へ成長
・顧客満足度1位はアップルのiPad mini、マイクロソフト Surfaceも高い満足度を示す

 
 ICT総研は5月28日、タブレット端末市場に関する調査を発表した。

タブレット国内出荷台数

 調査結果によると、年々拡大してきた日本のタブレット端末市場は引き続き成長を続けており、2013年度には713万台の出荷を記録。半期ごとの推移を見ると、2012年度上期に188万台だった市場が、その後301万台、315万台、398万台へと増加を続けている。その結果、2012年度の端末市場規模は489万台、2013年度は46%増の713万台へと成長した。

 

タブレット国内出荷台数予測

 今後も国内タブレット端末市場は引き続き成長を遂げる見通しで、2014年度に890万台、2015年度に1,041万台、2016年度には1,170万台に達する見込みであると同社は予測している。ノートパソコンの代替需要や、教育用タブレット、シニアユーザーの需要増加など、あらゆるシーンでタブレットが利用されるようになっており、普及率は5割を上回るようになるとも予測している。

 OS別のシェアだが、iPadは2013年度のiPad出荷台数は320万台、出荷台数シェアは45%でAndroidタブレットを僅差で上回り、OS別のシェアで1位を維持した。Androidタブレットは2013年度に316万台、出荷台数シェアは44%と大きく出荷台数を伸ばし、iPadのシェアに迫っている。
 またWindowsタブレットを含むその他のタブレットは2013年度に77万台が出荷され、シェアは11%に増加。マイクロソフトが発売したSurfaceシリーズの存在が大きいと思われる。

タブレット世界出荷台数予測

 世界のタブレット端末市場は2013年には前年の約1.6倍の2億75万台へと成長を遂げた。2013年に出荷された2億75万台のうち、iPadは7,430万台でシェア37%と、出荷台数は増やしつつも前年の53%から急落している。AndroidタブレットがiPadの伸び率を上回る勢いで出荷台数を伸ばしているためであり、2013年は12,031万台、OS別出荷台数シェアは60%へと急伸した。
 Windowsタブレットを含むその他のタブレットは、2013年に614万台を出荷し、シェアは3%台へと増加した。しかし、その他のOSのタブレットは日本国内でのシェアと比べて低く、世界的に見ればWindowsタブレットはまだ普及が進んでいないようだ。世界のタブレット端末市場は2014年には2億3,970万台、2015年に2億8,710万台へと成長し、2016年には3億台を突破すると予想している。

タブレット所有率・満足度

 同社が2014年5月に実施したアンケート調査によると、4,158人中1,520人(36.6%)が何らかのタブレット端末または電子書籍端末を所有していると回答。ほぼ3人に1人がタブレット端末・電子書籍端末を所有しており、近年の需要拡大・市場の成長を裏付ける結果となっている。
 また各端末の所有者に対して、「端末の機能・性能」「端末の形状・デザイン」についての満足度を調査したところ、iPad miniの満足度が最も高く、83.3ポイントを獲得。第2位は9.7インチタイプのiPadで、79.4ポイント。第3位はマイクロソフトのSurfaceで78.5ポイント、amazonのKindleFireは74.7ポイントで4位となっている。Android端末の満足度は全体的に低く、7インチクラスの小型Androidタブレットや、10インチクラスの標準型Androidタブレットはいずれも下位となっているようだ。

 年々拡大していくタブレット市場だが、低価格モデルを始めとして様々なモデルが各メーカーから出されており、消費者の選択肢は広まってきている。また通信インフラに関しても公衆無線LANの拡大や各家庭でのWifiルーターの普及、またMVNO業界の盛り上がり等により、タブレットでの通信面は問題なくなってきている。課題はやはり明確な使用用途だろう。ノートパソコンの代替や教育用タブレットを始めとして、様々なシーンでの利用が増えてきているが、所有することのメリット・価値等が明確に固まってくれば、さらに市場は拡大していくと思われる。

調査の詳細はICT総研のプレスリリースを参照
2014年度 タブレット端末市場に関する需要動向調査

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