6月11日から3日間、幕張メッセにてネットワーク技術のイベント「Interop2014」が開催された。今年より併催された「APPS JAPAN」のブースにて一際目立ったのがMozillaのブースだ。ブースではFirefox OSとMozbusが展示されていた。まず前者のほうから見ていこう。
・Firefox OS
Firefox OSはiOS、Androidに次ぐ第3のスマートフォンOSとして注目されており、ブラジルなど新興国では既に発売されている。Firefox OSの利点はオープンソースで構成されているため、既存のプラットフォームに縛られず、アプリやサービスの開発の手間が少なくなることの他、性能の低い端末でも動作する点である。日本ではまだ発売されていないが、KDDIは2014年末までにFirefox OS搭載スマートフォンの販売を検討しており、低価格スマートフォンの1つとして期待が持てるだろう。
今回のブースにて展示されていたのは、開発者向けリファレンス端末である「Flame」や「ZTE Open C」などである。特に「Flame」に関してはTELECやJATEなどの認証を受けており、日本でも電波法上問題なく使用できるような状態で販売されるという。国内での販売時期・値段は未定だ。
操作してみたところ、各アプリともかなりなめらかに動いているように感じられた。電話、メール、SMS、ミュージックといった基本的なソフトの他、Apple storeやGooglePlayに該当する「Marketplace」、FMラジオ、ゲーム等のアプリも入っており、それらも問題なく動作した。
「Flame」はGALAXYやXperiaといったAndroidのハイエンドモデルと比べたらスペック的にはかなり劣るが、それでも従来のFirefox OS搭載の端末としては高スペックだという。日本のようにエンドユーザーが多い市場では、低スペック端末はどこまで受け入れられるかが課題となるだろう。
「Flame」の詳細なスペックは次の通り。
プロセッサーはQualcomm MSM8210 Snapdragon(1.2GHz デュアルコア)、液晶は4.5インチFWVGA液晶(854×480ピクセル)、カメラはメインが500万画素、サブが200万画素、本体容量は8GB、メモリは256MB~1GBの間で開発者が調整できるようになっている。バッテリー容量は1800mAh、周波数帯はGSM(2G)が850/900/1800/1900MHz、UMTS(3G)は850/900/1900/2100MHzに、無線LANは802.11b/g/n、Bluetooth3.0に対応。コネクタはMicroUSBが採用されており、その他GPS、NFC、デュアルSIMに対応している。
・Mozbus
Mozbusは「オープンを軸としたモノづくりを学び、実践する場」を構想としたMozilla Factoryプロジェクトの1つであり、「いつでも、どこでも、どんなときでもwebを届ける」をコンセプトにしたITワークショップバスプロジェクトである。バスには発電機能や無線LAN提供機能などインターネット接続に必要なインフラが搭載されている。ICT教育コンテンツや防災インフラとWebの研究を行なっており、教育現場などでのインターネットやWebを活かした出張ワークショップを基本に活動している。活動の詳細はMozbus Projectにて報告されている。
Mozbus Project:http://mozbus.tumblr.com/