KDDI、新料金プラン「カケホとデジラ」発表――通話定額サービス提供開始
2014年6月27日 13時27分更新
6月25日、KDDIと沖縄セルラーは新料金プラン「カケホとデジラ」を発表した。NTTドコモ、ソフトバンクモバイルは先行して通話定額プランを発表しており、KDDIの動向が注目されていた中での発表となった。2014年8月13日より開始する。
「カケホとデジラ」は電話カケ放題プランとデータ定額サービスを組み合わせた、新たな料金プランである。
電話カケ放題プランは、auのスマートフォンとフィーチャーフォンに向けた、国内の通話を定額で利用できるサービスだ。基本料金料を支払うだけで、通話回数や時間などの制限はなく国内通話が利用できる。
料金は2年間利用する「誰でも割」を適用した場合、スマートフォンが月額2700円(税抜き、以下同)、フィーチャーフォンが月額2200円。ドコモとソフトバンクの通話定額プランと同様の料金となっている。非適用時はスマートフォンの場合で月額4200円、フィーチャーフォンの場合で3700円になる。
一方データ定額サービスのプランは2G、3G、5G、8G、10G、13Gの6種類用意されており、ユーザーの利用状況に応じて細かく選ぶことができる。。
月額料金は上限2GBまでの「データ定額 2」が3500円、3GBまでの「データ定額 3」が4200円、5GBまでの「データ定額 5」が5000円、8GBまでの「データ定額 8」が6800円、10GBまでの「データ定額 10」が8000円、13GBまでの「データ定額 13」が9800円となっている。8G以上のプランではドコモ、ソフトバンクよりも安くなっているのが特徴だ。なおインターネットへの接続には、別途「LTE NET」などのインターネット接続料(300円)が必要。
フィーチャーフォンの場合、電話カケ放題にデータ定額サービスを付けた場合は「電話カケ放題プラン(ケータイ・データ付)」となり、通信量に関わらず3500円となっている。「ダブル定額」などのパケット定額サービスは利用できない。
ドコモ、ソフトバンクのデータ定額に関しては、一定の容量を家族で分け合える方式を取れるようになっているが、KDDIのこのプランは個人ごとに契約するようになっているため、他社にあるような家族間での「データシェア」はすることはできない。しかし余ったパケット容量を家族に分け合う「データギフト」を採用しており、0.5G単位で他の家族に追加料金なしでプレゼントできるようになっている。またそのためか、他社にはない3G、8G、13Gと細かくプランが用意されており、1人ひとりに合わせたプランを選べるようになっている。ただし「データギフト」の開始は12月であり、新料金プランの開始とはギャップがあるので注意が必要だ。
月内で余ったデータ容量を翌月に持ち越すことはできない。逆に当月のデータ通信量が上限を越してしまった場合、月末まで速度が128Kbpsに制限されてしまう。制限を解除するにはリアルタイムでデータ購入ができる「データチャージ」を利用する必要がある。料金は0.5Gが550円、1Gが1000円となっており、有効日数は62日間なので、こちらのデータ容量は翌月に持ち越すことが出来る。
長期契約者へのサービスも併せて発表された。契約6年目以上のユーザーは3カ月に1度だけデータ容量を増加する「長期優待データギフト」を利用できる。「データ定額2」「データ定額3」プランの場合は、契約から6~8年目のユーザーが0.5G、9~10年目が0.75Gバ、11年目以降が1Gの増量を行える。「データ定額5」以上のプランでは、6~8年目が1G、9~10年目が1.5G、11年目以降が2Gの増量となっている。提供開始時期は未定だ。
KDDIのプランでドコモ、ソフトバンクとは異なる点をまとめると次の3点が挙げられるだろう。
・8G以上の利用の場合、他2社より安い
・「データシェア」ではなく「データギフト」
・「auスマートバリュー」によるセット割引
2点目について補足しておくと、家族で「データシェア」をする場合、家族間で必ずしも公平に利用できるというものではない。誰か1人だけが使いすぎてしまうことによって、他の家族がそのあおりをうけてしまい、速度制限されてしまう恐れもある。KDDIはその点、データの使い方は人それぞれとし、「データギフト」の方式をとったという。
また3点目は今のところKDDIのみのメリットだ。固定回線とのセット割引にはソフトバンクの「スマホBB割」があるが、新料金プランの「スマ放題」には適用されないためである。
各社新料金プランは音声定額が主軸であり、あまり通話をしないユーザーには割高に感じられるものになっている。その点、KDDIは既存の料金プランの新規受付をしばらく継続するというのは評価できるだろう。ドコモとソフトバンクは既存の料金プランの新規受付を8月末で停止し、新料金プランに一本化される予定だ。
全てのユーザーに通話定額を一律に課すというのは、やはりユーザーとしては首を傾げたくなる。各社とも通話が定額になれば音声通話の使用は増えるとしているが、その見通しは不透明だ。ユーザーのニーズに合わせたものとは必ずしも言えない、一連の新料金プランの動きは消費者の不信を招きかねない。