「iPhone6」と「iPhone6 Plus」がついに正式発表、「iPhone5S」との違いは?
2014年9月10日 13時41分更新
米アップルは日本時間10日、iPhoneの最新機種である「iPhone6」と「iPhone6 Plus」を発表した。12日から予約開始、19日から発売となっており、従来通りNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3キャリアから発売される。またSIMロックフリー版も12日からアップルストアで予約が開始される。
カラーはゴールド、シルバー、スペースグレイの3色、容量は今回から32GBがなくなり、代わりに128GBが追加された。
値段は北米版の価格となるが、2年契約で「iPhone 6」が16GBが199ドル、64GBが299ドル、128GBが399ドル。「iPhone6 Plus」が16GBが299ドル、64GBが399ドル、128GBが499ドルとなっている。
従来のモデルとの比較に重点を置きながら、新型iPhoneについて解説してみたい。
・液晶・デザイン
液晶は「iPhone6」が4.7インチ、「iPhone6 Plus」が5.5インチと、「iPhone5S」の4インチから大型化を果たした。大型化に伴い「Retina HD ディスプレイ」となることで解像度も上がっており、「iPhone6」は1334×750、「iPhone6 Plus」は1920×1080となり、またデュアルドメインピクセルで視野角も向上している。コントラスト比も「iPhone5S」が800:1であるのに対し、「iPhone6」が1400 :1、「iPhone6 Plus」が1300:1であり、画面の鮮やかさは期待できるだろう。
サイズは当然大きくなるのだが、iPhone 5Sの厚さが7.6mmであった一方、「iPhone 6」は6.9mm、「iPhone 6 Plus」は7.1mmと薄くなっているのも見逃せない。電源ボタンの位置はこれまで端末の上部にあったが、今回のモデルでは右側面に変更されているのも特徴だろう。
・カメラ
メインカメラはこれまで通り8Mピクセルのままだが、2倍の速さのオートフォーカス、顔検出、ビデオ撮影時の手ブレ補正などが強化されている。また「iPhone6 Plus」のみに光学手ブレ補正にも対応している。サブカメラも1.5Mピクセルのままだが、こちらはF値が2.2になり、暗い場所でも明るく映るようになった他、連写モードが使えるようになっている。
・CPU
「iPhone6」「iPhone6 Plus」共に新開発のA8プロセッサを採用。「iPhone5S」に搭載されているA7と比べてパフォーマンスが最大50%向上しているほか、グラフィック性能も最大84倍向上しており、iOS 8で搭載されるゲーム向けグラフィックエンジン「Metal」にも対応している。
大型化・高性能化の一方でバッテリー性能も併せて向上している。「iPhone5S」の連続通話時間が最大10時間なのに対し、「iPhone6」は14時間、「iPhone6 Plus」は24時間となっている。
端末の動きなどを処理するするモーションプロセッサもM8に刷新されて、歩数や移動距離などをより高精度な計測できるようになった。ジャイロスコープ、加速度センサーは従来も搭載されていたが、今も出るからは高度の計測できる気圧計も新たに追加。健康・フィットネスアプリを開発できる「HealthKit」が新OSより対応しており、この点を重視していると思われる。
・NFC
「iPhone6」「iPhone6 Plus」より、新たにNFCチップが搭載される。これによりAppleが提供する新たな決済サービス「Apple Pay」が利用できるようになる。「Apple Pay」はクレジットカードの利用をワンタッチで可能にする機能であり、決済時は指紋認証を行いながら専用端末にiPhoneをかざすことで完了する。10月より米国でサービスは開始されるが、日本での予定は未定。またこのNFC機能が「モバイルSuica」のような「Apple Pay」以外のサービスに利用ができるかも、まだ不明である。
・通信
対応する周波数帯は過去最高となり、「iPhone5S」では対応していなかった「WiMAX 2+」や「SoftBank 4G」に対応する他、キャリアアグリケーション、VoLTEにも対応。さらにこれまで最大100MbpsであったLTE Category 3からLTE Category 4をサポートするようになり、最大150Mbpsまで出るようになった。WiFiも最新規格802.11acに新たに対応し、最大で従来の3倍速くなるという。
・iOS8
こちらは「iPhone6」「iPhone6 Plus」だけではなく、「iPhone4s」、「iPhone5s」、「iPod touch(第5世代)」、「iPad Air」などにも配布される。9月17日より無償配布される。写真の画像編集・アルバム機能の強化、動画や音声メッセージ送信の簡易化、iCloudDrive、サードパーティー製のキーボードアプリの解禁等が挙げられるが、一番の注目はヘルスケア機能だろう。併せて発表された「Apple Watch」との連携も気になるが、スマートフォンによる健康管理のスタンダードを示せるか注目すべきだろう。
以上述べてきたが、「iPhone6」と「iPhone6 Plus」の違いはディスプレイのサイズ、解像度、コントラスト比、光学手ブレ補正機能の有無くらいで、性能に差はない。単純にサイズの好みで選んでいいだろう。
iPhoneは2年に1度しかフルモデルチェンジが行われないため、今回の発表は大いに注目されていた。大きな目玉はなかったものの、堅実に高性能化が行われた印象だ。また周波数帯域が増え、キャリアアグリケーション等にも対応したことにより、Androidスマートフォンのハイエンドモデルと通信環境はほぼ並んだ形となる。
iPhoneとAndroidの競争環境がフラットになった今、スティーブ・ジョブズ亡き後のAppleのブランド力が試されてくると思われる。
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