NTTドコモ、2014~2015年冬春の新機種並びに新サービスを発表
2014年10月2日 11時22分更新
9月30日、NTTドコモは2014~2015年冬春モデルの新機種ならびに新サービスを発表した。
・「2014~2015年冬春モデル」
2014~2015冬春モデルのラインアップとして、スマートフォン・タブレットなど合計16機種を発表した。特徴としてはスマートフォン全機種が「VoLTE」、ハイレゾオーディオに対応した他、LTEとWi-Fiの同時接続による高速ダウンロードも可能になる。更に自分撮り機能の充実も図っている。
また子ども向けの腕時計型ウェアラブル端末「ドコッチ 01」、LTE-Advancedによる受信時最大225Mbpsの高速データ通信に対応したモバイルWi-Fiルーター等も発表した。
発表された端末は以下のとおり。別記事において端末ごとに詳しく解説する。
・「Runtastic for docomo」
「Runtastic for docomo」はフィットネスアプリのベンダーであるRuntastic社とドコモが共同開発し、ランニングやサイクリングなどのトレーニング時に計測したデータを記録・管理し、ユーザーのトレーニングに関する各種サポートを行うサービスだ。月額350円でRuntasticのAndroid、iOS向けのスマートフォンアプリ6種類と30種類のトレーニングプランが使えるようになる。またdocomo IDを所有していれば、ドコモの端末を持っていなくてもキャリアフリーで使用することができる。12月から提供開始予定。
具体的には、スマートフォンやウェアラブル端末を身につけトレーニングすることでGPS位置情報を基に、運動時間や距離、ペース、消費カロリー、移動経路などのトレーニングデータを計測する。そのデータはクラウド上に蓄積され、アプリやウェブ上から確認できる他、詳しい分析やコーチングも受けられ、SNSでシェアなどもできる。またドコモならではの点として、トレーニング量に応じてドコモポイントを進呈するのも見逃せない。
更にドコモと東レが共同開発した機能素材「hitoe」を活用したスポーツウェア型の計測用デバイス「C3fit IN-puls」にも対応する。「C3fit IN-puls」は着用するだけで心拍数など生体情報を取得でき、ウェア型のため激しい運動の中でも正確に測定できるのが強みだ。計測したデータは「hitoe」専用のトランスミッター「hitoeトランスミッター 01」を別途使うことでスマートフォンで確認できる。
今後、トレーニングだけではなく激しいスポーツや医療分野での応用も期待されるサービスだろう。
・「キャリアアグリゲーション」
au、ソフトバンクに続き、ついにドコモもLTE-Advancedによるキャリアアグリゲーションについて明言した。2015年の3月から利用可能になるという。ドコモのキャリアグリゲーションョンは下り最速225Mbpsの高速通信となり、1.5GHz帯(15MHz幅)と2GHz帯(15MHz幅)、800MHz帯(10MHz幅)と1.7GHz帯(20MHz幅)を組み合わせることで実現させる予定。また800MHz帯(10MHz幅)と2GHz帯(15MHz幅)を組み合わせる下り最速187.5Mbpsのサービス提供も予定しているという。この度発表されたルーター2機種は対応するものの、スマートフォン等は残念ながら未対応となっている。
・「iコンシェル」、「しゃべってコンシェル」
ドコモが提供している「iコンシェル」、「しゃべってコンシェル」もサービスが拡大される。「iコンシェル」はこれまでユーザーが登録した情報や位置情報をもとに、情報を通知する機能を提供してきたが、今回の機能拡大により利用履歴からユーザーの好みを学習したり、位置情報の解析をより強化することで、現在のシチュエーションに合わせた情報を通知するようになる。具体的には、交通情報や観光情報を通知したり、自動で日記を作成する機能が利用できる。またキャラクターである「ひつじのしつじくん」とユーザーがコミュニケーションをとることによってもユーザーの情報を学習し、より好みに合わせた情報を提供するようになる。
「しゃべってコンシェル」はiPhoneのSiriのように、ユーザーの言葉の意図をクラウド上で解釈することで情報や機能を表示させたり、雑談することができる機能だ。こちらはキャラクターとと雑談できる機能が強化される。これまではユーザーが話しかけても1度返答するだけで雑談は終了したが、今後はは連続した雑談が可能となる。キャラクターから話しかけてくる機能も追加され、よりコミュニケーションの側面が強くなった。
・「ドコッチサービス」
最後に、子どもの見守りサービスの「ドコッチサービス」について触れたい。子どもに専用端末をつけてもらうことで、家族が子どもの活動や周辺状況をスマートフォンやパソコンで確認できるもの。専用端末としては腕時計型のウェアラブル端末「ドコッチ 01」を用意。3G通信やGPS、Bluetoothなどを備えるほか、IPX5/IP5X基準の防水・防塵機能もあるので子どもも端末を気にすることなく遊べるようになっている。気温や湿度を計測する各種センサーも搭載されており、子どもの熱中症予防等にも有効だ。通話はできないものの、SMSを利用して簡易コミュニケーションをとれたり、ワンタッチで自分の位置を知らせることができるなどの機能も搭載。2015年3月の提供予定で月額780円から利用できる。
ついにドコモもキャリアアグリゲーションを明言し、来年の春から3社とも導入することになる。ここしばらくは各キャリアとも「つながりやすさ」や「エリア拡大」を主な謳い文句にしてきたが、auが150Mbps、ソフトバンクがFDD-LTE方式で187.5Mbps、ドコモは225Mbpsとキャリアで最高速度が異なってくる。そのため来春より「速度競争」の面が強調されてくる可能性を指摘できるだろう。
またウェアラブル端末を活用したサービスがいよいよキャリアから発表されたのも見逃せない。これまでスマートウォッチなど各メーカーが販売してきたが、スマートフォンとの連携以外、ユーザーには分かりやすい用途が示されず、イマイチ伸び悩んでいる印象がある。キャリアがこうしてウェアラブル端末の利点を提示することで、この分野が果たしてどこまで伸びてくるのか、注視していきたい。