KDDIは2015年春モデルを発表、「ガラホ」やINFOBARに機種変更優遇プログラムも

2015年1月20日 11時14分更新


 1月19日、KDDIは2015年春モデルとそれに伴う各種キャンペーンを発表した。子供向けや高齢者向けを明確に打ち出したスマートフォン、フィーチャーフォンにAndroid OSを搭載させた「ガラホ」、既存契約者の機種変更を優遇する「アップグレードプログラム」など、KDDIの新たな戦略が打ち出された発表となっている。

・新機種
 2015年春モデルとして発表された5つの端末から見ていこう。なお、各端末の詳細な説明は別記事を参照してもらいたい。

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 まずは「INFOBAR 03」だ。INFOBARは2003年にデザイン重視の携帯電話として登場てから本機種で6代目の端末となり、今回は京セラが製造を担当している。製品デザイナーとして今回も深澤直人氏を起用しており、上質なアルミボディに、シリーズではお馴染みのタイルキーを備え、デザインスマホとして文句のない仕上がりだ。

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 京セラはINFOBARの他にスマートフォンでは「BASIO KYV32」、「miraie」、フィーチャーフォンでは「GRATINA2」を発表。これまで同社の「URBANO」シリーズもスマホ初心者を意識して作られてきたが、「BASIO」は直接シニア層に向けたスマートフォンとなっている。ホーム画面は大きなアイコンや文字を使用し、見やすくわかりやすいレイアウトになっており、電話やメールといった物理キーも配置。「au VoLTE」専用にチューニングした京セラ独自機能「スマートソニックレシーバー」や「ゆっくり通話」も備え、快適な通話を追求したモデルとなっている。

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 一方「miraie」はジュニア向けのスマートフォンだ。子供がスマホを気にせず活動できるよう、防水・防塵性能に加えて軍事規格に対応した耐衝撃性能も備える。防犯ブザー機能や保護者が子供の位置を確認できる「安心ナビ」といった従来のジュニアスマホでは定番と言える機能のほか、ソフト面でも子供向けにカスタマイズしてあるのが特徴だろう。Googleアカウントの規約で13歳未満は使用できないためかGoogle Playは使用できないものの、子供向けにカスタマイズした「auスマートパス」を準備したり、子供に不適切な言葉を入力しようとすると警告表示をする「あんしん文字入力」など、保護者が安心してもたせられるようにどこまでも配慮されている。

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 フィーチャーフォンの「GRATINA2」は水・防塵・耐衝撃性能を備え、シーンを選ばずに使用できる。手になじむラウンドフォルムや操作感を向上させたキートップデザインなど、使いやすさにこだわりを見せている。

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 シャープからは2014年夏モデルである「AQUOS SERIE SHL25」の後継モデルとなる「AQUOS SERIE mini SHV31」と、フィーチャーフォンにAndroid OSを搭載させた「AQUOS K SHF31」が発表された。「AQUOS SERIE mini SHV31」はKDDIからは初となるスマホが話しかけてくる機能「エモパー」を搭載。またIGZO液晶、画面占有率を高める「EDGEST」スタイルによって前モデルで好評だった片手で扱えるコンパクトさ保ちつつも、「グリップセンサー」、「リアルタイムHDR」といったシャープのスマホならではの機能を搭載したハイスペックな仕上がりとなっている。

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 「ガラホ」とも宣伝される「AQUOS K SHF31」はフィーチャーフォンながらAndroid4.4、クアッドコアCPUを搭載し、4G LTEにも対応したこれまでにないモデルだ。タッチパネルには非対応なものの、各キー上に搭載された「タッチクルーザーEX」によってタッチパッドのような操作性を実現させている。Wi-Fiテザリングが可能なほか、ケータイの着信通知を受け取れたりするタブレット連携機能「PASSNOW」も備え、タブレットとの2台持ちにオススメできそうな端末だろう。

・料金プラン

 長期契約しているユーザーが同じキャリアで機種変更する際の料金が、新規契約/MNPのユーザーと比べて割高な料金となっていると問題視され続けてきたが、ついにKDDIは寄贈契約者の優遇サービスを打ち出した。今回発表された新たなサービス「アップグレードプログラム」は月額300円の料金を支払うことで、18ヶ月以上同じ端末を利用しているユーザーが機種変更する際、分割支払金残高が無料になるサービスだ。この権利が生じる19ヶ月目以降から支払い完了する月までのタイミングで機種変更した際は、その分のプログラム料はau walletカードにチャージされる形でとして返金される他、本サービスの権利を使わずに機種変更した場合や、分割支払終了後の26ヵ月以降に機種変更をされた場合は、プログラム料が同様の形で全額返金される。

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 つまり現状のプランだと同じ端末を2年間使い続けることが前提となっているが、本サービスを使えば18ヶ月という若干早いサイクルで機種変更できるようになるということだ。注意点としては現時点では加入できる対象機種はiPhone 6、iPhone 6 Plus、INFOBAR A03、AQUOS SERIE mini SHV31の4機種のみとなっている点と、本サービスを使用して機種変更した場合は旧機種を回収されてしまう点だろう。そのため、旧機種が故障、水濡れ、破損がなく正常に動作することが回収の条件となっている。
 長らく長期契約者への不遇が課題となっていたために、顧客の流出防止という面でも良いサービスであると思われる。

 また今回KDDIから初となるシニア向け/ジュニア向けスマートフォンが発表されたが、合わせてそれぞれに専用の料金プランも用意された。
 「BASIO」を購入した55歳以上のユーザーを対象に専用料金プラン「シニアプラン(V)」を用意。月間データ容量が0.7GBになるが、月額4,280円で利用できるプランとなっている。
 一方「miraie」には「ジュニアスマートフォンプラン」を用意。利用ユーザーが小学生以下の場合に利用でき、月間データ容量が0.5GBで月額3,920円となっている。更に上記した「アップグレードプログラム」のジュニア版も特典として付与され、「miraie」を割賦契約 (36ヵ月)にて購入した場合、18ヵ月間の利用後に機種変更すると分割支払金残額が無料になる。通常の「アップグレードプログラム」よりもオトクになっているといえよう。

 この他新たな学割サービスも実施。MNP含む新規契約の学生とその家族を対象とし、「データ定額5/8/10/13」を契約した場合は学生本人は最大2年間、家族については最大1年間、毎月の利用料金から1,500円割引され、「LTEプラン」「プランZ シンプル」を契約した場合は学生は最大3年間、家族については最大1年間、基本料金934円が無料となるサービスとなっている。

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 今回の発表からはスマホ普及率が頭打ちとなってきた2014年の動向を踏まえ、デザイン重視、シニア向け、ジュニア向け、「ガラホ」等、より具体的なユーザー層を想定して個性的な端末を発表してきた印象だ。XperiaやGALAXYといった万人向けのハイエンドモデルが発表されなかったのも、それを裏付けていると思われ。特に昨今のトレンドは5インチ以上の大型液晶を搭載している端末が多い中、シニア向けで大きな液晶が求められるBASIOを覗いてどれも小さめの端末なのも面白い。
 またアップグレードプログラムはまだ制限が多いものの、長らく課題とされてきた長期契約者への優遇サービスとして、またユーザーの流出防止という面でも期待がもてるサービスであると思われる。他キャリアもこうした動きに追従してくるのが慣例であるため、動向が気になるところだ。

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