ドコモ「夏」新サービス・製品発表会、月1500円割引がずっと続くプラン「docomo with」に加え、新機種発表
2017年5月25日 14時50分更新
NTTドコモは5月24日、2017年夏モデルとなるスマホ・タブレットの新製品と新料金プラン「docomo with」を発表した。
スマホ・タブレットの新製品は、スマートフォン7機種、タブレット1機種の全8機種となる。夏モデルでは、世界で初めて4K HDR動画の再生に対応したほか、受信時最大速度が2016年冬モデルの682Mbpsから788Mbpsに高速化した。
新料金プランでは、対象となっている「docomo with」対象の端末を購入すると、毎月1,500円が“ずっと割引”されるという料金プランだ。
登壇した吉澤社長は、冒頭に今日の発表会のテーマは「Challenge to Change」であると宣言をした。スマホ・タブレットの新製品8機種のほかに、新料金プラン「docomo with」を発表し、今まで恩恵が薄いと言われていた、ひとつの端末を長く利用するユーザー向けに、対象端末を購入することで割り引きがずっと続くサービスで、ユーザーの不公平感を解消したい、ドコモに留まって欲しいう思いから今回の発表会では「docomo with」が手厚くプレゼンされた。
「docomo with」は、ドコモが2017年夏モデルとして発表した「arrows Be/F-05J」「Galaxy Feel/SC-04J」を対象に設けられた新しい料金プランだ。ドコモでは従来からユーザーが端末を購入した際に一定の金額を割り引くサービスである「月々サポート」を実施している。今回の「docomo with」の対象となる端末については、月々サポートが受けられない定価購入になる代わりに、1,500円を“ずっと割引”してくれるというプランで、それぞれ2万円中ばから3万円半ばの本体料金になるどちらもミドルレンジの端末だが、端末料金の支払いが終了したあとでも1,500円が毎月利用料金から割り引かれる。なお、同プランはarrows Be発売日の6月1日より申込受付を開始。加えて、7月31日までに「docomo with」を契約したユーザーを対象に抽選でdポイントが最大77,777ポイント当たる、「docomo withスタートキャンペーン」を実施する。
また、Amazon.co.jpでの支払い方法として、新たにNTTドコモのキャリア決済が利用できるようになる。吉澤社長によれば5月中の実現を目指しているとのこと。ドコモユーザーであれば、毎月の携帯電話利用料とともに、Amazonでの支払いをまとめられるようになる。
次世代の通信技術「5G」について、「ドコモは2020年に向けて5Gの取り組みを加速させていく」と意気込みを見せた。あわせて披露されたロゴマークは、新しい通信インフラとしての次世代感、先端性、期待感を表現するとのことで、今後、5G関連の取り組みは、随時報告していくという。
東京スカイツリー周辺に「5Gトライアルサイト」を開設。地上350mの展望台に高精細なカメラを設置して、その映像を5Gによる伝送を挟みながら地上で観賞できるようにするなど、一般ユーザーも、一足早く5Gを楽しめる環境の提供を開始した。
【NTTドコモの2017年夏モデル】
夏モデルの新たなスマートフォンは、ソニーモバイルコミュニケーションズ製「Xperia XZs SO-03J」「Xperia XZ Premium SO-04J」、サムスン電子製「Galaxy S8 SC-02J」「Galaxy S8+ SC-03J」「Galaxy Feel SC-04J」、シャープ製「AQUOS R SH-03J」、富士通コネクテッドテクノロジーズ製「arrows Be F-05J」の7機種。また、シャープ製「Disney Mobile on docomo DM-01J」に新色が追加された。
◆「Xperia XZs SO-03J」 5月26日発売予定。
Xperia XZsは、カメラにソニーの新技術「Motion Eyeカメラ」を搭載。動画の一部をスローモーションにできる「スーパースローモーション撮影」が可能なほか、動きのある被写体を撮影すると、シャッターを押す前から被写体の動きを検知して自動的に撮影が始まり、シャッターを切る前の4枚のベストショットが自動抽出される「先読み撮影」などが可能。
◆「Xperia XZ Premium SO-04J」 6月中旬発売予定。
Xperia XZ Premiumは、64GバイトのROM、4GバイトのRAMを搭載し、4K HDRや受信時最大788Mbpsに対応した、夏モデルの中でも最高スペックのスマートフォン。Xperia XZsと同様にMotion Eyeカメラを搭載しており、スーパースローモーション撮影や先読み撮影ができる。
◆「Galaxy S8 SC-02J」 6月上旬発売予定。
Galaxy S8は、曲面デザインによって5.8インチの大画面ながら持ちやすさを実現したスマートフォン。1220万画素のアウトカメラでは、高速オートフォーカスによって暗闇でも綺麗な写真を撮影可能。また、有機ELディスプレイによってより高精細なHDR動画を楽しめる。
◆「Galaxy S8+ SC-03J」 6月上旬発売予定。
Galaxy S8+は、ドコモのスマートフォン史上最大サイズの6.2インチの大画面を採用。Android 7.0のマルチウィンドウを活かして、動画を見ながら、ウェブブラウジングをするといったことも可能。電池容量も3500mAhとドコモ史上最大級となる。
◆「Galaxy Feel SC-04J」 6月中旬以降発売予定。
Galaxy Feelは、片手操作がしやすい4.7インチのコンパクトなスマートフォン。4インチ台のドコモスマートフォンでは最大の電池容量となる3000mAhを搭載。カメラには、手のひらを向けるだけでシャッターが切れる機能を搭載したほか、肌が綺麗になり輪郭もシャープになる「美顔モード」をデフォルトで起動できる。
◆「AQUOS R SH-03J」 7月発売予定。
AQUOS Rは、ディスプレイに高精細ワイドクアッドHD「ハイスピードIGZO」を搭載したスマートフォン。従来よりも描画性能が上がったほか、画面に触れた際の反応速度も上がったことで、動画やウェブブラウジングが快適になった。AQUOSテレビで培った美しいディスプレイにより、HDR以外の動画もHDR画質のように綺麗な映像を楽しめる。
◆「arrows Be F-05J」 6月1日発売予定。
arrows Beは、おサイフケータイやワンセグ、防水・防塵などの基本機能を揃えたスマートフォン。ワンセグはアンテナ内蔵型で、外出時や災害時などでも情報を受信しやすい。MIL規格のほか、1.5メートルの高さから26方向でコンクリートに落下させる独自試験をクリアしており、落下時も画面が割れにくい。
◆「Disney Mobile on docomo DM-01J」 7月発売予定。
Disney Mobile on docomo DM-01Jには、すでに発売済みの同モデルに新色のホワイトモデルが追加された。端末の動きに応じて360度視点で見られるライブ壁紙「ディズニースプラッシュオブマジック ドナルド」が新たに追加されたほか、ケースにドナルドをイメージした3色ブルー系のスワロフスキー・クリスタルを82個装飾した。
◆「dtab Compact d-01J」 5月25日発売予定。
タブレットは、Huawei Technologies製「dtab Compact d-01J」。持ち運びやすい8.4インチを採用。「Microsoft Office」がプリインストールされており、外出先で資料や編集などが可能。また、dtabとして初めて指紋認証を搭載しており、ワンタッチで起動できる。SIMカードを抜くことなく、遠隔で契約者情報を書き込む「eSIM」にも対応。
また、新機種に加えて、シニア層が月額500円でスポーツや温泉などの特典を受けられる「dエンジョイパス」、アルバイトや正社員、クラウドソーシングなどの仕事探しプラットフォーム「dジョブ」、音声に加えて文字でも留守電が確認できる「みえる留守電機能」、家族の見守りデバイス「petoco」などが発表された。
新機能の音声による自動終話「スグ電」では、通話中、相手に「じゃあね」などキーワードを話し、端末を耳から離すと通話を終了する機能が追加され、「Xperia XZ Premium SO-04J」「Xperia XZs SO-03J」「Galaxy S8 SC-02J」「Galaxy S8+ SC-03J」「Galaxy Feel SC-04J」「AQUOS R SH-03J」に対応。今後のアップデートで、「したっけ(北海道)」「へばな(東北)」「ほなね(中部、関西)」といった「じゃあね」に相当する各地の方言に対応する予定。
今回、夏モデルや新たな料金関連の取り組みを始めることにあわせ、堤真一、綾野剛、高畑充希が出演する新CMが放映された、新キャラクターとして、ブルゾンちえみが登場。「ブレークしてよかった」と会見で思わず本音が出たブルゾンちえみの役どころは、スクープを狙う新聞記者・綾野剛の妹という設定。CMは、綾野とブルゾンの関係が明らかにされるものと、2人の繋がりを知った綾野の上司役である堤がブルゾンに想いを寄せるというバージョン。
また、「docomo with」という名称の新プランが提供することにちなんで、出演者に「あなたのwithはなんですか?」という質問が投げかけられた。
綾野は「feel」と回答。どんなときも感覚、感性を重視していると語った。
高畑は「ご褒美」。女子はご褒美がないと頑張れないですとのこと。
堤は「綾野みたいにかっこいいこと言えないなー。」としぶしぶフリップをあげ、「マスク」と回答。ホコリや花粉対策として、普段からマスクが欠かせないと語り「毎回4日くらいつかっているのでケバケバになってます」と会場の笑いを誘った。
トリを務めたブルゾンちえみは「音楽」と回答。「Bも欠かせないけど、音楽がなかったら生きていけない。with Bじゃなくてすいませんでした」と弁解していた。
会見で行われた、吉澤社長への質疑応答や囲み取材の場では、新料金プランの詳細について多くの質問がなされた。
―新料金プラン「docomo with」の業績への影響は?
吉澤氏:端末そのものを定価で買っていただく形となり、当社が端末販売で得る粗利は元の端末に比べると少し小さくしている。収入は減るが、月々サポートというコストも減る。そのあたりの足し引きがどうなるか。ただ今年度は数十億円規模の減収になると見ている。4月の決算説明会で、2017年度に数百億円の還元を実施する方針を明らかにしており、「docomo with」はその一部になる。
―「docomo with」はどれくらい使えば得なのか。
吉澤氏:これまでの端末購入補助(月々サポート)を平行して使うことはできないが、定価で買っていただくことで1,500円をずっと利用料金から割り引く。2万円半ばから3万円半ばという端末の料金を前提に、24ヵ月(2年間)でもう36,000円が割り引かれることになるので元は取れたと感じていただけるはず。お客様に対するドコモの充実したアフターサービスも一緒にご利用いただけるので、単純に値引きだけをアピールするためにつくったプランではないとご理解いただきたい。
―「docomo with」対象の端末はスペックが抑えめの2機種に限られているのはなぜか。
吉澤氏:2機種に限定するつもりは全くない。新料金プランの第1弾モデルということで、まず新しい機種からにした。今後、端末は当然増やしていきたいと考えているが、既存機種でやろうとすると、月々サポートとdocomo withが混在し、ユーザーからするとどちらがお得なのか、複雑になる。なので、今回スタートし、ユーザーの反応もみて、今後どのような端末を対象にしていくのがふさわしいのか決めていきたい。
―想定する利用者層は。
吉澤氏:対象機種は、スペック的にHDRディスプレイや、788Mbps対応などはないが、基本機能を使う方、フィーチャーフォンからの乗り換える方になるかと思う。
―料金プランが乱立してしまうと、ユーザーにはわかりにくくなるのでは。
吉澤氏:ドコモの料金プランが複雑という声をいただくこともあるが、当社としては常にプランのシンプル化に取り組んでいる。
―2016年冬モデルで、実質負担額が650円程度だったMONOの路線と、今回のdocomo withの路線のどちらに寄せていくのか。
吉澤氏:MONOは端末購入補助を適用できる基準価格より安く、実質負担額が648円だった。今後、ミッド/ロー機種をどのようにするか判断は必要だが、できればwithに寄せたい。今後を見て判断する。
今回の発表会の柱となった「docomo with」。毎月1,500円の割引が利用できると聞けば、魅力的なプランではあるように思うが、端末の購入代金はあくまで定価となるため、高級機種の場合は割引率がもう少し高くないと全体に負担を感じられる。何より対象となる端末がまだ2機種のみなので、今後ユーザーの声を受けて、どのような端末を追加するのか、どのようなプランに変化していくのかに注目したい。アイフォンの発売以降、携帯大手3社は端末とサービスの横並び状態が続いてきたが、これから本格的な料金値下げ競争が始まるのかもしれない。