2016年タブレット端末の国内出荷台数、前年比6.9%減の773万台に―IDC Japan調査

2017年3月8日 15時55分更新


 IDC Japanは、2016年第4四半期(10月~12月)および2016年通年の国内タブレット市場における出荷台数実績値を発表した。
 
 2016年第4四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比10.1%減の199万台で、家庭市場向けは同比7.6%減の161万台、ビジネス市場向けは19.3%減の38万台となった。同四半期は、通信事業者向けおよび、学校や官公庁などの公共セグメント向けの出荷は、前年同期比でプラス成長となった。しかしながら、家庭市場向けのWi-Fiモデルや、一般民間企業向けの出荷は2桁のマイナス成長となった。
 
 2016年通年のタブレット端末の出荷台数は、前年比6.9%減の773万台となった。これをセグメント別に見ると、家庭市場向けは同比0.7%増の595万台、ビジネス市場向けは25.5%減の178万台となった。市場の中心である家庭市場向けタブレットは、通信事業者向けの出荷が底支えすることにより、2015年並みの出荷台数となった。しかしながらビジネス市場向けは、民間企業での導入が一巡したことや、タブレットを利用したソリューションの提供が不十分であることから、前年比2桁のマイナス成長となった。
 
 タブレット市場を「デタッチャブルタブレット」(ハードウェアキーボードが脱着できるタブレット)と「タブレットスレート」(通常のスレート型タブレット)に分けて見ると、2016年の出荷台数はデタッチャブルタブレット160万台、タブレットスレート613万台とタブレットスレートが約80%を占めている。しかし、その前年比成長率は、タブレットスレートが12.6%減に対し、デタッチャブルタブレットは24.3%増と伸ばしている。これには二つの要因がある。一つは、アップルのiPad Proの登場によってデタッチャブルタブレット市場の出荷台数が増加したこと。もう一つはPCベンダーが、PCとの置き換えやアドオンデバイスとしてのデタッチャブルタブレットを、PCの延長線上でスマートフォンのような使い勝手を持つPCという位置付けにし、ユーザーの使い勝手の向上を狙っていることとIDCは分析している。
  
 2016年の国内タブレット市場出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、富士通、エイスースとなった。アップルは、前年比7.0%減と出荷台数を落としたが、40.9%の高いシェアを維持している。また、同年第4四半期の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、エイスース、富士通となった。
 
 今後の見通しに関してIDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野 浩寿氏は「国内タブレット市場は、キラーアプリケーション不在の状況が今後も続き、家庭市場向けおよびビジネス市場向け共にマイナス成長が続くと予測される。その中で、金融市場に既に導入されているタブレットの入れ替えが2017年~2018年に開始されることが予測され、これら買い替え需要が市場を支えるであろう」と述べている。
 
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