KDDI、豊岡市と「スマート農業プロジェクト」開始、水位センサーで水田管理省力化

2018年6月1日 13時07分更新


 兵庫県豊岡市とKDDは、ICTなどを活用して省力・高品質生産を実現する「豊岡市スマート農業プロジェクト」を開始し、その第一弾として、IoTを活用して「コウノトリ育む農法 (無農薬)」の水田管理省力化を目指す実証事業を開始した。
 
 豊岡市で取り組んでいる「コウノトリ育む農法 (無農薬栽培)」は、田植えから中干しまで、雑草対策として通常よりも深く水を張る深水管理を行う必要がある。また、農薬を使用しない代わりに、害虫を食べてくれるカエルやヤゴを増やすため、通常よりも長い期間水を張る必要がある。
 このように、コウノトリ育む農法は、通常よりも小まめな水管理を長い期間行うため、見回りに労力がかかる。特に、大規模農家は水田が広範囲に及ぶため、見回りに半日かかることもあり、水管理の省力化が課題となっている。
 
 今回の実証事業は、豊岡市の農家が管理する水田に通信回線を利用した水位センサーを設置することで、農家の人はスマートフォンなどで水位を確認できるようになり、見回り回数の削減や見回り時間の短縮による省力化とコスト削減を図ることができる。また、水位データに異常値が確認できた時は自動でメール通知する仕組みを備えている。
 水位センサーは、セルラーLPWAの規格「LTE-M」に対応。省電力特性を活かして電源の確保の心配や電池交換の頻度を減らすことができるため、設置や運用のハードルを下げることが可能なほか、携帯電話回線を活用することで、ゲートウェイ (親機) を設置することなく、幅広いエリアにおいて機器の設置が可能になる。
 なお、セルラーLPWAを利用した水田の水位監視は国内初の取り組みとなる。
 
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