【ワイヤレスジャパン2014】富士通 瓦礫下生存者検出レーダ(UWBレーダ)
2014年6月1日 15時40分更新
震災時に瓦礫の下に埋もれた生存者を迅速に捜索し救出する技術を、富士通株式会社が開発した。2014年ワイヤレスジャパン展示会に参考出展されたこの技術は、震災時に倒壊した家屋や建物などの瓦礫に埋もれた生存者を探知する小型軽量レーダーである。
レーダ信号にUWB(Ultra-WideBand、超広帯域)信号を用いることにより、瓦礫を透過させて、瓦礫下の生存者を検出するというものだ。
このUWB信号を用いた瓦礫下生存者検出レーダは、壁の向こうの不審人物を、相手に察知されずに探知する「壁透過レーダ装置」の技術を応用しているという。
2011年3月11日に発生した、東日本大震災においてもそうであったが、救出作業においては、「72時間問題の克服」という課題が挙げられる。これは、震災発生後72時間が経過すると、とたんに生存率が落ちるという問題であり、したがって、救出作業は72時間以内に行うのが望ましいとされている。
東日本大震災において、警察庁、消防庁、海上保安庁、防衛省、自衛隊の各機関は、地震発生当初、被災者の捜索・救助に全力を挙げ、28,110名の被災者を救出した。しかし72時間という時間的制約の中では、人力のみにおいては、生存者を十分に助けることができるわけではない。
UWBレーダによる捜索効率向上の実現の一例としては、数mm単位の超高分解能により、瓦礫の下敷きになった生存者の呼吸による胸の低周波微動を、電波を用いて数秒で検出する。これにより、より迅速な救助を可能とする狙いだ。
サイズはW188×H252×D250 mm、2.3kgであり、ACアダプタで充電可能と、携帯性が考えられた構造になっている。この生存者探知レーダが災害救助の場でより多くの人命を救助する一助になることを願ってやまない。
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