タブレット端末購入は買い替え/買い増し層が増加

2014年4月24日 16時17分更新

・2013年のタブレット端末市場は2013年後半からは成長鈍化
・新規購入者は減少傾向も、買い替え/買い増し需要は今後も高まる予測

 
 
 ジーエフケー・マーケティングサービス・ジャパン株式会社はタブレット端末の購入状況、利用状況、購入意向に関するアンケート調査を実施し、その調査結果を発表した。

 同社によるとリテール市場におけるタブレット端末の販売台数は2013年第3四半期(7-9月)までは50%以上の成長が続いていたが、2013年第4四半期(10-12月)は14%増となった。また2014年第1四半期(1-3月)の販売台数は前年並みにとどまっている。

 成長鈍化の一因として購入層の拡大が伸び悩んでいる事が挙げられると説明している。昨年12月に実施した調査によると、タブレット端末の購入者のうち新規購入の割合は減少傾向にあり、3カ月以内の購入では6割を下回った。一方でタブレット端末使用者の4人に1人は「1年以内の購入を検討している」と回答しており、買い替え/買い増し需要は今後も高まる予測も出している。

 タブレット端末の買い替え/買い増しが増加する一方で、新規購入の増加には課題がありそうだ。タブレット端末を購入した事がない消費者の6割が「タブレット端末に興味が無い」と回答している。興味が無い理由としては「パソコンやスマートフォンで事足りる」「通信費が高い」等の理由とあわせて「具体的な使用用途のイメージが湧かない」が多く挙げられた。タブレット端末は一度使用されると利便性が認識され、積極的な買い替えや買い増しが行われる。市場拡大のためにはタブレット端末の使用経験がない消費者に対し、具体的な使用用途のイメージや利便性を訴求することがより重要となると説明している。

 また初回購入者と2回目以降の購入者では、購入時の行動や動機に違いが見られるそうだ。購入時に参考とした情報源では、初回購入者は「店頭展示製品」「店員の勧め」が高く、2回目以降の購入者は「メーカーウェブサイト」が最も高い結果となった。機種・メーカーの選定については2回目以降の購入者の約半数は、購入時に「機種をひとつに絞っていた」と回答している。それに対し初回購入者の3割以上は購入時にメーカーやモデルを特に決めていない事が分かった。

 また2回目以降の購入者の購入理由として「端末やOS独自のアプリやコンテンツを利用したいから」「電子書籍を読むため」が初回購入者より10ポイント以上高かった。

グラフ

 

 気軽に扱えることが売りのタブレットはアプリの拡大も後押しして、一度利用しだすと他の端末にはない利便性を感じることができる。ただ一方でパソコンやスマホの中間的ポジションと捉えられることも多く、新たに出費をさせる魅力を端末自体に持たせることも難しい。やはり利用シーンを提供しながらタブレットの価値ではなく、「タブレットを利用する生活シーンの価値」を訴求していくことが重要になりそうだ。

※なおICT総研でも需要動向調査を行い、調査結果をまとめている。
2014年度 タブレット端末市場に関する需要動向調査
(2014年5月28日掲載)

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