2013年国内ルーター市場、企業向けは好調も事業者向けは落ち込む

2014年5月21日 11時49分更新

・国内ルーター市場は、通信事業者向けの減少が響き、前年比8.8%減の1,093億円
・企業向けは、2014年も景気回復を背景にプラス成長を予測

 
 
 IDC Japan株式会社は、国内ルーター市場の2013年の実績と予測を発表した。

 市場全体では前年比成長率マイナス8.8%の1,092億9,100万円という結果になった。内訳としては、企業向けルーター市場は、国内景気の回復と円安の進行なども相まって、2013年通年で前年比成長率9.8%のプラス成長を達成し、市場規模は348億7,300万円となった。一方で通信事業者向け市場は、固定通信事業者向け売上の減少に加えて移動体通信事業者向けコアルーター需要が一巡した結果、前年から15.6%減少して744億1,700万円にとどまった。

 2014年の国内ルーター市場は、企業向け市場では景気回復を背景にした企業のネットワーク分野への投資が続く一方で、通信事業者向け市場では移動体通信事業者、固定通信事業者共に現行サービス向け投資が減少し、ルーター市場全体では前年比成長率マイナス2.2%の1,069億1,100万円になると予測している。

 実際ベンダーシェアでも、1位シスコシステムズに続き、2位に移動体通信事業者の需要獲得が牽引役となったアルカテル・ルーセントが入り、シェアを伸ばした一方、固定通信事業者の投資減少の影響を受けたベンダーは順位を下げる結果になっている。

 IDC Japanコミュニケーションズ リサーチマネージャーの草野賢一氏によると、既に成熟市場である国内ルーター市場では「自ら企業向けルーター製品を再定義する機会と捉えて、思い切った製品投入をすべき」と提言している。

 一人で電化製品を設計、開発、販売する「一人家電メーカー」などいった言葉が注目され、実際にヒット商品が生まれるなど、利用者目線で様々な価値観に細かく対応する時代になっているのかもしれない。機能が重視されやすいルーターも、そのような発想で考えるとおもしろい商品が生まれるかもしれない。

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