世界IoT市場、2020年には3兆400億ドル規模へ成長か

2014年11月27日 10時00分更新


・世界IoT市場は、2013年の1兆3千億ドルから、2020年には3兆400億ドルに拡大
・2020年のIoT向けインテリジェントシステム/エッジデバイスの接続数は300億台
・IoT市場において成功を収めるには、ベンダー、サービスプロバイダー、システムインテグレーターが共存し、製品やソリューションを統合することが必要

 
 
 IDC Japan株式会社は、世界IoT(Internet of Things)市場予測を発表した。これによると、世界IoT市場は、2013年の1兆3千億ドルから、2020年には3兆400億ドルに拡大し、2013年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は13%になると予測している。

 IDCではIoTを「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なインテリジェントシステム/エッジデバイスからなる、ネットワークを束ねるネットワーク」と定義。IoT市場のエコシステムの構成要素には、インテリジェントシステム/エッジデバイス、コネクティビティ、プラットフォーム、アナリティクス、アプリケーションがあり、さらに、それらに付随する専門サービス、セキュリティサービスも含まれるとしている。

 数百億台の接続デバイスを通じて数兆ドルもの収益をもたらすと予測されるIoT市場に対し、さまざまな事業者が取り組みを活発化していることから、IoTは既に単なるバズワードではなくベンダーの将来的な成長を支える上での重要な実ビジネスになりつつあるとIDCでは分析している。今後もこの新しい市場機会に焦点を合わせてさまざまな戦略がベンダーによって打ち出されるという。

 米国IDC シニアバイスプレジデントのバーノン・ターナー氏は「注力するビジネスの規模や種類に関わらず、世界中のあらゆるベンダーがIoTのもたらす市場機会に注目している。成熟度の観点からは未だ初期段階ではあるものの、IoTは政府、消費者、エンタープライズ分野における、またとないビジネスチャンスとなるであろう」と述べる。

 また世界の地域別のIoT市場の傾向として、他の大陸と比較して国境が細かく分断されていない北米市場では、法規制や技術標準化のギャップというような阻害要因の影響が少なかったことから、IoT市場の土台を早期に築くことに成功し、短期的には市場をけん引する立場にあるという。一方で西欧とアジア太平洋地域では、政府の指導やよりオープンな環境を重視する思想が後押しすることにより、IoTデバイスの普及台数が2020年までに北米を上回るとIDCでは予測している。

 米国IDC バイスプレジデントのキャリー・マクギルブレイ氏は「IoT市場のエコシステムは特定の限られたプレーヤーが主導的な立場に立って成長させていくべきものではない。パートナーシップ施策、グループ形成、革新的なサービスの創出によって、真に価値のあるIoTソリューションが生み出されるであろう」と述べている。

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