18年4QにFoldableスマホ始動か、20年には90万台規模と予測―矢野経済研究所調べ
2018年4月23日 16時06分更新
矢野経済研究所は、2018年の国内外のフレキシブルディスプレイ材料市場を調査し、Foldableスマートフォン世界出荷台数を予測するとともに、材料のセグメント別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
調査期間は2018年1月から3月まで。フレキシブルディスプレイ材料(PIフィルム、ハイバリアフィルム、その他フィルム)メーカーを対象に、同社専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用して調査が実施された。
曲面(Bended)スマートフォン向けのPI(ポリイミド)基材のフレキシブルOLEDの搭載が拡大し、表面硬度5H程度、折り曲げ半径R1~2程度の透明PIフィルムが開発されるなど、折り畳み(Foldable)端末の実現に向けた条件が整いつつある。業界内には2018年内にサムスン電子(SEC)が製品化するのは確実との見方もあり、スマートフォンのFoldable化の動きが現実味を帯びてきた。
一方で、仮に2018年内にFoldableスマートフォンが発売されたとしても、市場に定着するにはある程度の時間が必要で、常に端末を折りたたんだり開いたりして使用する中で、ディスプレイの劣化、センサーの断線、表面カバーの白化やひび割れなどの不具合が出てくるのは避けられない。そのため、矢野経済研究所は、Foldable端末の安定した需要が確立するのは2020年以降だと予測している。
また同社は、Foldableスマートフォン世界市場規模(メーカー出荷数量ベース)は、2018年には9万台に止まる見込みだが、2019年に30万台、2020年には90万台と急激に成長すると予測している。
スタンダードになるにはまだまだ時間がかかるが、市場に投入されさえすれば、開発では見えてこなかった新たなニーズがマーケットの中から出てくる可能性は高く、フレキシブルディスプレイ材料メーカーの開発課題もより明確化する。材料メーカーには、ユーザーであるフレキシブルディスプレイメーカー、その先のセットメーカーが求める性能、品質のフィルムを確実に実現し、更に製品の改良・ブラッシュアップについていけるだけの技術力・開発力の強化が求められている。
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