急速拡大する国内ビッグデータソフトウェア市場

2014年6月3日 17時01分更新

競合分析結果
競合分析結果

・ビッグデータ市場2012の市場規模は、前年比23.6%増の48億6,900万円
・アーリーアダプターからの実績報告も相次いでいる
・今後も急速に市場が拡大しており、マジョリティ層への取り組みも急務

 
 
 IDC Japan株式会社は国内ビッグデータソフトウェア市場を調査し、同市場の競合分析結果を発表した。同調査によると2012年の国内ビッグデータソフトウェア市場規模は前年比23.6%増の48億6,900万円となった。セグメント別ではData Organization & Management市場が17億5,200万円、Analytics & Discovery市場が18億7,900万円、Decision Support & Automation Applications市場が12億3,800万円となった。(*)

*ビッグデータソフトウェア市場を、データの収集、保存、通信を行うテクノロジー基盤である「Data Organization & Management 」、収集したビッグデータの分析、解析を行うテクノロジー基盤である「Analytics & Discovery」、シナリオに基づいた分析/解析や、自動化されたルールベースのトランザクション解析などを行う「Decision Support & Automation Applications」の3つの市場セグメントに分類

 こういった市場の成長の背景としては、2013年はNEC、富士通、日立製作所などの国内大手ベンダーがビッグデータへの取り組みを強化した他、オラクル、IBM、マイクロソフトといったソフトウェアベンダーがビッグデータ活用の提案を増やしていることが要因として挙げられる。さらにはITベンダー以外の企業からも、ビッグデータを活用した自社ビジネスの改善事例や、マーケティング強化など新しいビジネスへの活用事例が早期採用者(アーリーアダプター)から発表されており、ビッグデータソフトウェア市場は売り手側中心のバズワード的な盛り上がり方から、実ビジネスで活用される段階に移行している。

 IDCは「ビッグデータソフトウェア市場は今後、急速に拡大する。この市場拡大で商機を得るには、マジョリティユーザー層へのアプローチを行う必要がある(IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地 慎太郎氏)」と提言する。
 Webサービス事業者はもちろん、例えば損害保険会社がカーナビのGPSから契約者の運転状況を詳細に把握することで年齢、走行距離、免許の種類といった情報だけでなく契約者ごとに実際の走行や運転の状況を知り、契約者個々をリスク分析できたりと、その活用方法は多岐にわたり、かつその効果は絶大になると思われる。ビッグデータの活用により、サービス利用者、サービス事業者共にメリットのある未来への期待が高まる。

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