ブロードバンドサービス、純増数は頭打ちか
2014年7月7日 14時00分更新
・2013年度末の光回線は2,537万件、純増数は152万件に留まり成長鈍化傾向
・NTTグループの光回線シェアは東日本エリアで77%、西日本エリアでは65%
・2013年度の光回線サービス純増数はNTT東が44万件でKDDIの37万件を上回る
7月4日、ICT総研は2014年度ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向に関する調査結果を発表した。
ブロードバンド総契約者数は2014年3月で4,335万人となり、前年度比およそ6.8%増の結果となった。全国世帯数比の普及率は77.5%となっている。
内訳を見てみると、WiMAXなどのブロードバンドワイヤレスアクセス(WBA)が年々順調に増加しているのが目立つ。光回線は59%と高い割合を占めているが、前年度からの純増数は152万件と微増となっている。ADSL回線は減少傾向が続き、CATVインターネットは横ばいを維持している。
ICT総研は来年度の予測は全体で4,592万件になる見通しを立てており、光回線、WBAがそれぞれ伸びる分野と分析している。
また光回線事業者の加入者数シェアを東西エリア別に発表している。
東エリアではNTT東日本が77%ものシェアを誇っており、KDDIも徐々にシェアを伸ばしているものの、17%にとどまっている。一方西エリアでもNTT西日本が65%と大きく占めているものの、ケイ・オプティコムが12%、KDDIが9%、電力系が7%と東日本に比べて競争が激しいことが伺える。
一方光回線サービスの年間の純増数を見てみると、NTTはシェアは大きいものの、純増数はそこまで伸びていない。
2012年はKDDIが「auスマートバリュー」という携帯電話との割引プランで大きく数字を伸ばした一方、NTTは純増数は伸び悩んでおり、純増数は逆転している。しかし2013年は「思いっきり割」などの新規加入者向け販売施策で再び純増数でKDDIからトップを奪還している。
だがWiMAXやワイヤレスシティプランニングなどの無線ブロードバンドアクセスや、携帯電話のLTEサービスが普及しつつあることで、光回線サービスの需要自体が頭打ちとなっているのは否めない。固定回線とモバイル回線の通信速度差も縮まりつつある今、固定回線をモバイルに置き換えるユーザーも増え始めているという。
純増数が頭打ちとなった光回線市場ではあるが、NTT東西が発表した光回線の卸売販売「光コラボレーションモデル」は注目すべきサービスだろう。実施されれば多くの業者がモバイルサービスとのセット販売に乗り出すことが確実なため、再び純増数が増加に転じる可能性があるとICT総研は予測している。
なお詳細なレポートに関しては以下のリンクを参照してもらいたい。
・ICT総研:2014年度 ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向調査
http://www.ictr.co.jp/report/20140704000064.html
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