巣ごもりITサービス利用動向調査、最も増加したECサイトは「Amazon」―ICT総研
2020年4月28日 12時29分更新
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は4月28日、外出自粛要請後の巣ごもりITサービス利用動向調査の結果をまとめた。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により政府から緊急事態宣言が発せられたことなどにより、外出自粛が要請され、企業などもテレワークを今まで以上に本格的に導入。これにより、普段通学・出勤していた人々も、在宅時間が大幅に増加している。
今回の調査では、新型コロナウイルス対策により人々の自宅で過ごす時間が増えてきている中で、在宅でどのようなITサービスの利用が増加したのかを把握することを目的とし、Webアンケート調査を実施した。4,300人の回答者のうち、新型コロナウイルス感染症の影響により利用頻度が増えたサービスについて、具体的に質問することを了承した回答者に対してアンケートを実施。アンケート調査の結果をまとめて分析したものである。アンケート実施時期は2020年4月17日から4月21日。
■ 新型コロナウイルスの影響で最も利用が増加したジャンルは「動画配信サービス」
新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が増える中で、自宅でどのジャンルのITサービスを利用する機会が増えたかを聞いた。その結果、最も利用が増加したジャンルは「動画配信サービス」となった(利用率 34.0%)。
海外では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自宅待機の影響で、1~3月に有料動画配信サービスの視聴回数の伸びや新規会員数の増加が確認されたほか、YouTubeでも自宅から利用するユーザーが増えたことが発表されているが、日本でも同様の動きが見られる結果となった。
動画配信サービスに次いで利用が増加したのは「ECサイト」である(利用率 21.4%)。外出自粛の影響でリアル店舗の来店数が減少し、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)が叫ばれる中で、ECサイト利用への流れが加速した形となっている。
利用増加ジャンルの3位は、「Web会議」(利用率 14.2%)。テレワークの推進が図られる中で、パソコンやスマホを使って、遠隔でも従業員間や取引先とのコミュニケーションを円滑に行うためのツールとして、今回の影響で利用が増加した。
■ 動画配信サービスの重視点は、「メニュー・種類の豊富さ」。Web会議は、「会社の指示」。
それぞれのITサービス利用者に対し、利用にあたって重視する点を聞いたところ、動画配信サービスの重視点1位は「メニュー・種類の豊富さ」となり、「使いやすさ・操作性」がこれに続いた。Web会議の重視点1位は「会社の指示」となっており、「使いやすさ・操作性」、「映像・音声の品質」がこれに続いた。その他のジャンルについては、「使いやすさ・操作性」が1位という結果になった。
■ ECサイトで最も増加したのは「Amazon」。Web会議は「Zoom」。
今回のアンケートでは、「ECサイト」、「Web会議」、「遠隔教育・オンライン授業」、「料理宅配」の4分野について、新型コロナウイルスの流行以降、自宅での利用が最も増加したITサービスについて、具体的なサービス名も挙げてもらった。
その結果、ECサイトでは、「Amazon」が利用率24.2%でトップ、「楽天市場」が21.6%でこれに続いた。 ECサイトの「Amazon」は、有料会員のAmazonプライム会員になれば、特典として配送料無料になるほか、プライムビデオなどの映像コンテンツが見放題になる。このため、家にいる時間が長くなったことで、在宅で様々なサービス提供を受けられるAmazonの利用が増えたものと分析される。
また、Web会議は「Zoom」が利用率11.0%でトップ、遠隔授業・オンライン授業は「ベネッセ『チャレンジタッチ』」が2.0%でトップ、料理宅配は「出前館」が3.2%でトップとなった。
■ 満足度1位はWeb会議「Zoom」。ECサイトは「Yahoo!ショッピング」。
現在利用しているITサービスの満足度について、有効回答が150件以上の有効回答を得られた「Web会議」、「ECサイト」の満足度を集計したところ、Web会議では、1位 Zoom、2位 Google Meet、3位 Skypeとなった。表2のWeb会議の重視点で示したとおり、「メニュー・種類の豊富さ」、「月々の料金」等が評価されたと分析される。
また、「ECサイト」の満足度では、1位 Yahoo!ショッピング、2位 メルカリ、3位 Amazonとなっている。
■ 継続利用意向1位はWeb会議「Microsoft Teams」。ECサイトは「メルカリ」。
表4と同様に、有効回答が150件以上の有効回答を得られた「Web会議」、「ECサイト」について、今回の事態が収束した後も継続利用したいサービスについて尋ねた。その結果、Web会議の継続利用意向は、1位 Microsoft Teams、2位 Zoom、3位 Skypeとなった。
また、ECサイトは、1位 メルカリ、2位 Amazon、3位 楽天市場となっており、表4の顧客満足度とは異なる結果となった。