ケイ・オプティコム、KDDI回線を利用したMVNOサービスを月額980円からスタート

2014年5月17日 13時38分更新

 2014年5月15日、ケイ・オプティコムはKDDIのLTE回線を利用したMVNOサービス「mineo(マイネオ)」を6月3日に開始すると発表した。日本国内ではほとんどのMVNO事業者がNTTドコモの回線を利用している中、今回ケイ・オプティコムはMVNO事業者として初めてKDDIの回線網を使用する。

 「mineo」はデータ通信と音声通話に対応する。データ通信はKDDIのLTE周波数帯である2GHz帯とプラチナバンドに対応した800MHz帯が利用できるが、3G通信には対応していないので注意が必要だ。データ通信速度は下り最大150Mbpsとなる。データ通信容量は1ヶ月あたり1GBまでで、超えた場合は200kbpsに制限される。
今回NTTドコモではなくKDDIの回線を選んだ理由はMVNOの選択肢を広げてモバイル市場の活性化が狙うため、またドコモの回線を利用するMVNO事業者は既に多くいるのでKDDIの方が得策だと考えたため、の2点があるという。

 料金プランはデータ通信のみの「シングルタイプ」月額980円と、音声通話とデータ通信が可能な「デュアルタイプ」月額1590円(通話料は30秒/20円)の2つのプランを発表。両プランともに同社提供のIP電話サービス「LaLa Call」を月額基本料無料で利用できる他、「@mineo.jp」のメールアドレスも無料で提供される。「デュアルタイプ」ではMNPにも対応している。SIMカードはKDDIのLTE対応の端末ならほぼ全て利用可能だ。

 またSIMカードだけでなく端末とセットでも発売する。端末は京セラ製のAndroidスマートフォン「DIGNO M」を用意。端末代金は一括払いの場合48,000円、分割払いの場合には毎月2,000円が端末代として上乗せされる。
端末や料金のプランは今後増やしていく予定だ。端末に関しては安価な海外製の端末と、大手キャリアが販売しているものと同じ最新端末の2方向を用意していくという。

 この他料金に関しては、初期費用として3,000円、最低利用期間は1年間で途中解約する場合は違約金として9,500円かかってしまう。オプションサービスとして、パケットチャージが100MBあたり150円、ウイルスバスターモバイルが月額270円、端末安心サポートが月額370円で利用できる。
 
 大手キャリアのデータ通信容量は1ヶ月あたり7GBなので、「mineo」の1GBというのは少なく感じてしまうだろう。しかしデータ通信をそこまで使わないユーザーや、サブの端末として運用するには十分な数字であると思われる。1GBを超過した場合は200kbpsまで速度が落ちてしまうが、それでもメールやLINEといった最低限の利用はできる。用途を割りきったユーザーには、KDDIのLTE回線を月額980円から維持できるのは十分魅力的なプランであるように思える。

 KDDIが MVNO事業に参加したのは今回が初めてであり、今後他の事業者にもサービスの提供を進めていくだろう。ソフトバンクもMVNO参入の噂は絶えない。ドコモだけでなく大手キャリアがMVNOに参加することで、ビックカメラやエディオンといった家電量販店やイオンなど次々とMVNOに新規参入して起きている競争は、より激化していくだろう。その中でユーザーは安さだけに注目するのではなく、自らの用途もしっかり考慮して利用していく必要性が増していくだろう。

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