【ワイヤレスジャパン2014】MVNOの草分け、インターネットイニシアティブ(IIJ)
2014年6月1日 14時32分更新
東京ビックサイトにおいて5月28日から30日にかけて、モバイル・ワイヤレス専門の展示会「ワイヤレスジャパン2014」が開催された。
昨今MVNO市場が活性化しつつある中、展示会で大きく目立っていたのがMVNOの草分け的企業ともいえるインターネットイニシアティブ(IIJ)のブースだ。今年の3月よりサービスが開始されている「みおふぉん」の他、M2M分野の展示も行なっていた。
・みおふぉん
「みおふぉん」はMVNOとしてNTTドコモのネットワークを借り入れて提供している、LTE対応の携帯電話向け通信サービス「音声通話機能付きIIJmio高速モバイル/Dサービス」の愛称である。元々「IIJmio高速モバイル/Dサービス」はデータ通信用のSIMカードを低価格で提供するサービスだが、「みおふぉん」はそれに音声通話が付いた形だ。
月額1900円(税別)から利用でき、1ヶ月に使用できる高速通信のデータ通信量は1G、2G、3Gと選べるようになっている。3GのプランではSIMカードを3枚まで持つこと可能で、家族でデータ量を分け合うという使い方ができる。下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsで、NMPにも対応している他、使用せずに余ったデータ通信量は翌月に繰り越せるようになっている。また高速データ通信のオンとオフを切り替えられ、シーンに合わせてデータ量の節約ができる。
音声通話が付いていないデータ通信のみ、もしくはデータ通信+SMSのプランは月額900円(税別)から用意されている。SMSを使えばLINEに登録できるので、音声通話は使わないがLINEは使いたいというユーザーにはおすすめできるだろう。
格安スマートフォンと合わせてとにかく低コストで維持したい人や、メールと電話ができればいいというライト層には「みおふぉん」は選択肢に入る魅力的なプランだろう。大手3キャリアの影に隠れてまだまだMVNOの認知度は広まっていない。ユーザーが自分の使用用途に合わせたプランを選べるよう、MVNOの古株でもあるIIJには頑張ってもらいたい。
・M2M
IIJはMVNOだけでなく、M2M分野の展示も行なっていた。「見守りヘルスケアソリューション」コンセプトではベッドのマットの下にセンサーを設置し、呼吸、心拍、体の動きなどを検出ができる、バイオシルバー社の「bio syncセンサー」を展示していた。センサーを体に付ける必要がないほか、空気振動によって検出するので安心安全な設計だ。クラウドサービスと連携することで、インターネット経由でスマートフォンやパソコンを使って遠隔地からの見守りを可能にしている。現在は介護施設など事業所での使用を想定しているが、将来的には個人向けに販売する予定だという。IIJはこのbio syncセンサーのような製品と連携する見守りポータルサイトの展開など、M2Mを活用したヘルスケアサービスを開始していく予定だ。
もう一つ目を引いたサービスが、M2Mシステム構築に必要なインフラや開発環境をクラウド上のプラットフォームとして提供する「IIJ GIO M2Mプラットフォームサービス」だ。M2Mはシステム構築をするのに専門的なプログラミングの知識などが必要で、導入するにも敷居が高い難点がある。しかしこのサービスは「ThingWorxプラットフォーム」を採用しているためドラッグ&ドロップで簡単にM2Mアプリケーションが開発できるという。プログラミングの技術者が不在でも開発ができるようになる他、開発時間も大幅に短縮される。
M2M市場が世界的にも年々拡大していく中、導入する敷居を下げるという点では注目されていくサービスであると思われる。
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