O2Oビジネスの急先鋒、iBeaconとは?

2014年6月12日 13時48分更新


 AppleがiOS7から搭載している機能であるiBeaconが注目され始めている。iBeaconとはBluetooth Low Enagy(以下BLE)というBluetoothの新たな規格を利用して、端末の位置情報を把握し、情報を届けることが出来るシステムである。設置されたBeaconから端末が情報を受信できる推奨距離は10メートルとされており、例えば店舗に近づくだけでその店のクーポンや商品情報が自動的にプッシュ通知されるようになるということである。

 アメリカでは既にApple Storeやメジャーリーグのスタジアムで実用化されているが、日本でもじわじわと広まってきているようだ。来店するだけでポイントが貯まるアプリ「スマポ」は昨年からiBeaconを試験導入している。ビックカメラ有楽町店にて提供されており、店舗に近づくだけでスマポを起動しなくても自動的にポイント取得の通知がくるようになっている。また5月30日公開の映画「X-MEN:フューチャー&パスト」のプロモーションにもiBeaconが使われている。TOHOシネマズが配信しているアプリをインストールした端末を持って劇場に入場すればプッシュ通知が届き、特別映像等が楽しめる。他にも「館ナビ」という美術館・博物館向けのシステムが開発されており、来館者が展示物に近づいたらスマホへ展示物の情報を通知するアプリを配信する予定だ。

 iBeaconの利点は利用者がいちいちアプリを起動させなくても、BLEを介して端末が情報を受信すればバックグラウンドで自動的にアプリが通知してくれる点にあると思われる。さらにiBeaconには決済機能もあるので、ゆくゆくは財布や携帯も取り出さずに買い物が可能になるのではないだろうか。

 またiBeaconは、決してiPhoneのみに限られた機能ではなく、BLEがサポートされてさえいればアンドロイド端末でも使えるのも大きい(Android4.3以上)。さらに端末へ情報を届けるBeaconの設置も簡単であり、中には基盤剥き出しだが1つ300円という破格の安さで売りだしているメーカーもある。まだまだ一般に知名度は低いが、これから目の離せない分野に成長していくのではないか。

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