楽天がついにMVNO業界に本格参入、「楽天モバイル」は月額1250円から利用可能
2014年10月30日 10時00分更新
楽天グループの子会社であるフュージョン・コミュニケーションズは10月29日、MVNOとして格安通話サービス「楽天モバイル」の提供を開始すると発表した。29日から提供が開始される。フュージョン・コミュニケーションズはこれまで、データ通信サービス「楽天ブロードバンド」、通話アプリ「楽天でんわ」「FUSION IP-Phone SMART」を提供してきたが、今回の「楽天モバイル」よって楽天グループとして携帯電話事業に本格参入した形となる。
ネットワークはNTTドコモのLTE網を使用。音声通話対応のSIMカードだけでなく、端末とSIMカードのセット販売も展開する。料金は業界最安値を謳う月額1,250円から利用できる最大通信速度200kbpsの「ベーシックプラン」、最大150Mbpsの高速通信が可能な「2.1Gパック」、「4Gパック」、「7Gパック」の4プランを用意。後者3つのプランでは月間の通信容量が超過すると通信速度は200kbpsに制限され、その場合は100MBにつき300円で通信容量を追加できる。支払いはクレジットカードのみとなっている。
通話料金は20円/30秒だが、プリインストールされている無料通話・メッセージアプリ「Viber」、格安電話サービス「楽天でんわ」を使い分けることで通話料は抑える使い方が可能だ。
SIMカードとセット販売される端末にはASUSの「ASUS ZenFone 5」を用意。価格は2万6400円で、ストレージが8GBのMVNO向けモデルとなっている。
「ASUS ZenFone 5」は10月28日にASUS JAPANより発表されたばかりの端末だ。価格を抑えつつもクアッドコアプロセッサと2GBのRAMを搭載したLTE対応端末であり、格安スマホとは侮れないだろう。今後も端末ラインナップは増えていく予定だ。
MNPにも対応する他、オプションプランも複数用意。端末の破損や故障にも対応する「端末お見舞い金サービス」を月額350円、専任のアドバイザーが電話にてスマートフォンの相談に答える「あんしんサポートサービス」を月額500円、 キャッチホンを月額200円、留守番電話を月額300円で利用できる。最低利用期間は1年間となっており、期間内の解約には9800円の違約金が発生するので注意が必要だ。
サービス開始キャンペーンとして、各プランの月額料金が初月無料になるほか、楽天モバイルを契約の上、期間中に「楽天でんわ」に利用登録すると楽天スーパーポイント1,000ポイントが、また端末を一括購入しても楽天スーパーポイントが1,500ポイントプレゼントされる。
多様なネットサービスを提供する楽天がついにMVNOに参入したという印象だ。とにかく楽天グループが誇る9400万人もの会員に直接訴求できるのは、ユーザー数を増やすにあたって大きな武器となるだろう。楽天会員でクレジットカードに登録しているユーザーは最短5分で申し込みが完了できるなど、楽天の各種サービスがシームレスに連動するような仕組みが展開されていけば、格安という料金だけではなく普段から楽天サービスを利用するユーザーには大きなメリットとなる。楽天というビッグネームが参戦したことで、よりMVNO業界が競い合い、魅力的なサービスが生まれてくることに期待したい。
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