AIで気象ニュース原稿を自動生成、NTTデータが実証実験を実施
2017年1月30日 11時14分更新
NTTデータは、人工知能(AI)を用いて、アナウンサーが読み上げる気象ニュース原稿を気象電文から自動生成する実証実験を2016年9月から4カ月間にわたって実施し、気象電文とほぼ同じ内容の文書を作成することに成功したと発表した。
同実験では、気象庁が過去に公開した気象電文とアナウンサーが読んだニュース原稿をそれぞれ4年分用意し、原稿作成の規則性をディープラーニングで学習することで、ニュース原稿を生成するAIを構築。このAIに、新たな気象庁の気象電文を読み込ませることで、AIが学習した結果を基にして、新たな気象ニュース原稿を自動生成させた。
また、より自然な日本語を生成するために、NTTグループのAI「corevo」の日本語解析技術を活用した。
自動生成された気象ニュース原稿の「日本語文法の正しさ」と「意味の正しさ」を評価した結果、「日本語文法の正しさ」は、4点満点中3.86点(NTTデータ独自の採点基準)で、人が読んでも違和感が無いレベルに到達。「意味の正しさ」は、4点満点中3.07点(NTTデータ独自の採点基準)で、自動生成された気象ニュース原稿をわずかに修正することで、元の気象電文と矛盾しないレベルに達していることを確認したとのこと。
今後、NTTデータでは、AI記者の気象分野における商用化を目指すとともに、企業の決算発表やスポーツ記事等の大量のデータを伴う分野においても新たな実証実験を行い、AI記者の他分野展開を目指していくとしている。