ついに「ドコモ光」発表、ブロードバンド環境のワンストップ提供を目指す
2015年2月2日 12時00分更新
1月29日、NTTドコモは決算説明会の場でNTT東西の光回線の卸売を利用して提供される固定通信サービス「ドコモ光」と、携帯電話と固定回線のセット割を行う「ドコモ光パック」を発表した。2月16日より事前予約が開始、3月1日よりサービス開始される。
ドコモの加藤薫社長は「ドコモ光」について、ブロードバンド環境のワンストップ提供が目的と話す。料金体系としてはISPを含まない単独型と、ISPを含む一体型の2つを用意されており、単独型は戸建てで月額5,000円、集合住宅が3,800円となっている。ISP一体型は契約するISPによって異なり、戸建ては5,200円か5,400円、集合住宅は4,000円か4,200円。またドコモ光と同時に「ドコモnet」よいうISPサービスも提供を始める。
加藤社長は「ドコモ光」についておトク、簡単、便利という3つのキーワードを掲げる。申し込みに関しても「できるだけ簡単に」と話し、現在フレッツ光を利用しているユーザーはドコモ光への「転用」の手続きを、新しく光回線を契約する場合は「ドコモ光」への新規契約を案内するという。
「ドコモ光」について最も注目されており、「おトク」に関するモバイルとのセット割引だが、「ドコモ光パック」という名称でサービスを提供する。新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」における「パケットパック」と組み合わせることで割引され、データ量の大きいパックほど安くなる仕組みとなっている。更に新規契約/MNP向けに「光スマホ割」を実施して1年間基本料から1350円を割引する他、「U25応援割」と「ずっとドコモ割」も適用する「トリプル割」でさらに「おトク」になる仕組みだ。
加藤社長はこれら割引の仕組みについて「家族でパケットを分け合えること」がドコモ光ならではの特徴と話すが、裏を返せば家族でパケット容量の大きいシェアパックに入らなければ、そこまでの恩恵は受けられないということでもある。Sパックや旧料金プランのユーザー向けに1年間500円割引されるキャンペーンも実施されるが、やはり本格的にパケット容量の大きい新プランに移行してもらいたい意図が伺える。
また割引サービスだけでなく「ブロードバンド環境のワンストップ提供」ならではのサービスも提供する予定だ。従来スマートフォンの「あんしん遠隔サポート」を提供してきたが、モバイルだけでなくパソコンや周辺機器の遠隔サポートも準備しているという。将来的にはモバイル・固定回線のサポートを1つにまとめ、ワンストップ提供ならではのサポート体制を構築する。
更に光回線によって家の様々な通信機器と連携するサービスも実現予定だ。日常生活の緊急トラブルに対応する「家のあんしんパートナー」サービスを3月から提供するのを始め、様々なパートナー企業と提携することでスマートホームサービスやホームセキュリティを提供していく。
テレビをネットワークに接続させることで映像コンテンツにも注力していく模様だ。「dビデオ」や「dアニメストア」などのビデオオンデマンドサービスを自宅のテレビで楽しめるようになる専用アダプターを4月より提供する他、スマホとテレビを連携させたサービス、4K対応のライブ中継プラットフォームの構築など、2020年を見据えた4K・8K映像サービスを光回線によって発展させていくという。
質疑応答を通して、加藤社長は「ドコモ光」はKDDIのスマートバリューからシェアを奪うという発想ではなく、中長期的に枠組みで長期・既存ユーザーの安定化を図るサービスである、またNTTグループの収益の最大化よりも、一事業者としてNTTの光卸しを如何に最大限活かすかを考えていると回答。契約目標としては100万契約を目指したいと述べた。