KDDIはMVNO向けのパケット接続料を大幅値下げ、ドコモとの価格差が縮まる

2015年4月16日 10時00分更新


 KDDIがMVNO向けのパケット接続料が大幅に値下げされたことが判明した。

 昨年度のKDDIの接続料はレイヤー2接続、10Mbpsで2,751,142円だったところ、今年度から約57%減の1,166,191円と大幅値下げしている。接続料が大手キャリア中最も安いとされているNTTドコモが94万5059円なので、その差はかなり縮まってきたと言えよう。

KDDI

KDDI

NTTdocomo

NTTdocomo

・2014年度→2015年度
ドコモ:1,234,911円→945,059円(約23%減)
KDDI:2,751,142円→1,166,191円(約57%減)

 なおソフトバンクは同条件で3,517,286円と引き続き高額な価格となっている。

softbank

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 現在KDDIの回線を利用したMVNOキャリアはケイ・オプティコムのmineo、KDDI子会社であるUQ mobileの2つのみ。法人向けではIIJがサービスを開始させたが、コンシューマー向けではドコモの回線を利用しているものと比べるとまだまだ選択肢は少ないと言わざるをえないだろう。サービスが少ない背景にはKDDIの接続料がドコモより高額であり、回線を借り入れる障壁が大きかったというのがあるため、今回の値下げによりKDDIの回線を利用したサービスは増えていく可能性はあるだろう。

 ただしKDDIが3G通信において音声通話に採用している方式は「CDMA2000」を採用しているため、データ通信だけならともかく、通話も使いたいとなると利用できる端末は限られてくる問題がある。例えばドコモやソフトバンクは「W-CDMA」という異なる通信形式なので、それらキャリアの端末ではKDDI系のMVNOのSIMカードを挿しても通話をすることはできない。また「CDMA2000」自体が世界的にもマイナーな形式なので対応している端末はグローバルにおいても少なく、SIMフリー端末を使う場合でも注意が必要となってくる。

 端末調達という問題に加えて、mineoやUQ mobileのSIMカードではiOS 8以降のOSを搭載したiPhoneで通信が行えない問題もある。KDDIの回線を利用したMVNOサービスが数を増やしていくには、接続料の値下げに加えてもう一つプラスアルファが必要となってくるだろう。

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