KDDI田中社長、顧客流出の受け皿としてUQ mobileに期待、2017年3月期第1四半期決算

2016年8月4日 18時10分更新


 KDDIは8月2日、2017年3月期第1四半期の決算説明会を開催した。2017年3月期第1四半期 (2016年4月~6月) の連結売上高は前年同期比8.0%増の1兆1,305億円、連結営業利益は前年同期比19.1%増 の2,751億円となり、au通信ARPA収入の拡大と販売コストの削減等が要因となり増収増益であった。
 
 1Qの売上高は1兆1,305億円で進捗率24%、営業利益は2,751億円で進捗率31%、EBITDAは4,153億円で進捗率28%となっている。営業利益の増減要因として、国内モバイル事業におけるau通信ARPA収入の増収、au端末販売コストの削減に加え、バリューセグメントの増益が利益成長に大きく貢献した。
 au通信ARPA収入は4,470億円と四半期ごとに増収。au通信ARPAについては、1Qは5,810円となり、タブレット販売などのマルチデバイスの推進により1人当たりのモバイルデバイス数が1Q末で1.42と順調に上昇していることが成長要因としてあげられる。

業績ハイライト 営業利益 アープ アープ2
 
 
 UQモバイルについては、取扱家電量販店が約1,000店舗へ拡大しており、お客様タッチポイントを強化していくとの考えを示した。また、2月の『ぴったりプラン』開始以降、女性客に人気が出てきているという。
 中長期戦略では、IoTの推進により新たな市場開拓を目指す方針だ。トヨタ自動車とのコネクティッドカーにおけるパートナーシップでは、グローバル通信プラットフォームを構築し、各国の事業者に利用できるよう普及を目指していくとしている。また、IoT需要の一番大きなところのスマートメーターについても、長期的に伸ばしていきたい考えだ。

UQモバイル IoT推進
 
 
 ライフデザイン戦略について、まずau経済圏における新サービスの説明では、『au WALLET』マーケットの『au STARギフト』との連携、『au電気』でのau WALLETクレジットカードでの決済推進、保険ローンサービスにおけるauブランドでの販売開始をあげ、「今後IoTデバイスとこれらのサービスを組み合わせて、新たなものを開発することにより、通信に付加価値をプラスして提供していきたい」と田中社長は述べた。
 また、お客様タッチポイントの説明では、『auスマートパス』は6月末で1,464万会員と大きなタッチポイントになっており、『ショップチャンネル』は視聴可能世帯数が約2,900万世帯、日本全国約2,500店舗のauショップでは8月開始の『au STARパスポート』によりタッチポイントを強化していきたいとしている。

au経済圏 お客様タッチ
 
 
 au経済圏の拡大を推進するイネイブラーでは、au IDを中心とした3つのプラットフォーム構築をしている。『auかんたん決済』と『au WALLET』による決済プラットフォームの構築、ビッグデータの活用によるプロモーションやレコメンド機能の開発、そして様々なサービスやWALLETポイントを連携させるポイント還元プラットフォームである。

プラットフォーム
 
 
 ライフデザイン戦略では、コマース事業に加えて電気や金融サービスを新たに提供しており、これらのサービスをオンラインとオフラインのお客様のタッチポイントを通じて訴求することを考えているという。
 また、グローバル事業では、ミャンマートップシェアのMPTは、共同事業により着実に契約数を伸ばしている。ARPUはどんどん下がってきていたが、足元は安定傾向にあるという。そして、モンゴルでトップシェアのMobiComについては、データARPUの上昇が期待できる4GのLTEサービスを5月に提供開始、今後も事業を推進していく予定だとしている。

ライフデザイン戦略 グローバル事業
 
 
 KDDIの決算説明会において、UQ mobileの施策が紹介されたのは今回が初めてのことであった。MVNOに顧客が流出することについて、田中社長は「auの回線を使うUQ mobileなら、再びauに戻ってくれる可能性があるため、流出先がUQ mobileなら良い」と説明し、auの顧客流出の受け皿として、UQ mobileへの期待を示した。
 
 
 

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