KDDI決算は3期連続の増収増益、携帯3社がそろって営業増益
2018年5月11日 21時08分更新
KDDIは5月10日、2018年3月期連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高は前期比6.2%増の5兆419億円、営業利益は同5.5%増の9627億円となり、3期連続の増収増益を達成した。モバイル通信料収入や付加価値ARPA収入が増加したほか、ビジネスセグメントやグローバルセグメントにおける増益も大きく寄与した。
セグメント別では、通信事業を含む「パーソナルセグメント」の売上高が前年同期比7.3%増の3兆8996億円、営業利益が同3.1%増の7329億円となった。
昨年7月に提供を開始した新料金プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」が契約数を拡大。4月8日には累計700万契約を突破した。au契約者数は2018年3月末時点で2017年3月末比45万人減の2469万人にとどまったが、MVNO契約数は同91万件増の178万件となり、両者を合わせた「モバイルID数」は同1.8%増の2647万件と増加した。
ライフデザイン事業を含む「バリューセグメント」は引き続き規模を拡大。売上高は前年同期比15.7%増の5217億円、営業利益は同8.4%増の1040億円となった。
契約者1人当たりの通信料金を除く売り上げを示す「付加価値ARPA」が前期比80円増の590円に伸びたほか、決済事業では「au WALLETカード」の発行枚数が順調に増加。「au WALLET決済」の流通金額が今年3月に1億円を突破した。
法人事業を主とした「ビジネスセグメント」は、通信料収入が減少しているものの、ソリューション収入や端末販売収入等の増加により、売上高は前年同期比 5.6%増の7500億円、営業利益は同 11.1%増の845億円となった。
また、海外事業の「グローバルセグメント」では、ミャンマー通信事業の収入の増加や「TELEHOUSE」のデータセンター事業収入の増加があったものの、前期より実施している採算性の低い事業の整理により、売上高は前年同期比10.3%減の2487億円に減少した。一方、主にミャンマー通信事業やデータセンター事業による利益創出により営業利益は同32.1%増の319億円となった。
KDDIは、2019年3月期の連結売上高が5兆1,500億円 (2.1%増)、そして連結営業利益が1兆200億円 (5.9%増) と初の1兆円超えを見込んでいる。
また、1株当たり配当金100円 (配当性向38.8%、前期比10円の増配) を予定し、2019年3月期を最終年度とした中期目標 (連結営業利益CAGR7%・配当性向35%超 等) の達成に向けて、持続的な利益成長と株主還元の強化の両立を目指していくとしている。
携帯大手3社の2018年3月期連結決算は、そろって増収となり、本業のもうけを示す営業利益も増益となった。
一方で、主要事業である通信収入は、国内市場の飽和により伸びが鈍い。そして、楽天の携帯電話事業参入で競争はさらに激しくなるだろう。各社とも、金融や決済など通信事業以外の収益確保が焦点となりそうだ。
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