ソフトバンク孫氏、決算会見でサウジ記者殺害事件に言及「資金預かった責務は果たす」
2018年11月6日 11時28分更新
ソフトバンクグループの孫正義代表取締役社長は5日、都内で開催した決算説明会の冒頭で、トルコのサウジアラビア大使館で発生したジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害事件について言及した。
孫氏のコメントは以下のとおり。
「決算説明のプレゼンに入る前に、一言私の方から説明させていただきたいと思います。それは、私どもソフトバンクグループとサウジ投資ファンドであるPIFの関係において、今回のカショギ氏事件が、どのような影響を与えたのかということです。おそらく多くの人の関心は、そこにあると思ったので、先に一言触れさせていただきます。
今回の事件は、決してあってはならない大変に悲惨な事件だったと認識しています。これはカショギ氏一個人の大切な人生に加え、ジャーナリズム・言論の自由に対する、大変な問題を提起するものでした。そのような意味で、私どもはこの事件に対して、強い遺憾の意を示したいと思っております。
先日、サウジでイベントがありました。そこに私は参加しませんでした。しかし、サウジには行って参りました。それはサウジの政府高官の皆様に直接会い、私どもの懸念をしっかり伝えるという目的があったからです。ぜひ、事件の真相が一日も早く解明され、責任のある説明がなされることを心から願っております。
一方、私どもはサウジの国民の皆様から、投資に関わる資金をお預かりしています。この資金は、サウジの国民の皆様にとって、今後の経済の多様化、オイルだけに依存しない経済の多様化など、そういう責務を負った資金です。悲惨な事件があったのは事実ですが、一方で私どもはその責務を、サウジ国民の皆様に背を向けることなく果たすべきであると思っています。
そのような意味でも、しっかりと事件の真相が究明され、その説明がなされることを心から願っています」