ソフトバンク、2021年3月期決算は増収増益
2021年5月12日 08時35分更新
ソフトバンク株式会社は、2021年3月期の決算発表を実施した。
同期の売上高は5兆2,005億円で増収(前年比7%増)、営業利益は9,708億円で増益(前年比6%増)、純利益は4,913億で増益(前年比4%増)。
セグメント別は、全セグメントにおいて増収となり、中でも法人が前年+29%と大幅増。コロナ禍でのテレワーク需要やeコマース関連のヤフーが好調だった。
□携帯料金の値下げが悪影響
2021年度の業績予測は、売上高が5.5兆円、営業利益が9,750億円、純利益が5,000億円、財務レバレッジは2.4倍以下を掲げた。今後の営業利益の増減要因は、携帯料金の値下げの影響とLINE統合に伴う資産の償却での減益が大きいとし、料金値下げの影響が約700億円、LINEは約300億円下がる予測。これについてCEOの宮川潤一氏は「携帯電話の値下げに対してですね、非常に頭を抱えた」「必ずその他の事業で吸収しきってですね、増収増益を達成したい」と語った。
□コンシューマ事業
携帯電話は回線とコンテンツのセット販売が功を奏して右肩上がり。スマートフォンの流刑契約数は5年で1.5倍、中でもY!mobileが好調で5年間で4.4倍に成長している。スマートフォン累計契約数の目標は、3000万回線とした。
■2021年の秋口あたりにSA方式を導入
宮川潤一氏は、5Gネットワークの強化のなかで「今年の目標としましては、これ(5G)をスタンドアローン*1にしていく」「秋口以降になるかと思います」と言及した。また、来年の春までに人口カバー率90%を達成を掲げた。
*1:SA方式。独立した5Gコアネットワークにより5Gの基地局を単独で動作させる方式。現在の5GはNSA方式で、4Gのコアネットワークにより4Gの基地局と5Gの基地局を連携させて動作させている。
■PayPay、GMVは3.2兆円と公表
2021年5月で3900万ユーザーを突破し、決済回数は年間20億回を超えた(前年比2.5倍)。加盟店数は316万ヵ所程。これまで非開示だった決済取扱高(GMV)が、前年比2.6倍の3.2兆円と発表した。今期も同様の伸び期待しており、2022年度以降、PayPayを連結子会社化へ向かうとした。
■ADAとの資本提携
同日に発表されていた、ADAとの資本提携に触れた。ADAはアシアタ・グループ(マレーシアの通信会社)のデジタルマーケティングやデータ分析などを手掛ける会社。ソフトバンクはAI・IoTなどを活用した分野で事業を拡大する方針を出しており、デジタルマーケティングの海外展開(アジア)を強化を図る。
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