KDDIは11月02日、2023年3月期第2四半期の決算を発表した。
■決算概要
連結での売上高は27,408億円(前年比4.4%増)、営業利益は5,585億円(前年比2.5%減)で、第2四半期は増収減益。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年比2.0%減3,544億円。通期計画の6,880億円に対して進捗率は50.8%となった。
7月に発生した大規模通信障害による送金や対応費等と、燃料費高騰の影響を大きく受けて148億円の減益となった。
■セグメント別:営業利益の増減要因
営業利益の増減要因をセグメント・領域別にみると、マルチブランド通信ARPU収入とグループMVNO収入+ローミング収入は前年比で減収となったが、注力領域と3G停波関連でのコスト減によって増収となり、トータルで微増となった。
マルチブランド通信ARPU収入は、ブランドミックスの影響で前年比539億円の減収。付加価値ARPU収入(電気/決済/コンテンツなど)は前年比608億円の増収となり順調。
マルチブランドID(3ブランドの契約数)は、7月の通信障害の影響で新規契約が減少したが、8月以降はUQ mobileを中心に回復の傾向にある。9月時点で障害発生前の6月と同じ3093万まで回復しており、順調に拡大している。
■通信障害対策に500億円投資
今回の通信障害へのより抜本的な対策として、仮想化技術を中心に500億円の追加投資を実施し、品質向上を図る。
長期的な投資の前倒しとして、コア設備への仮想化基盤の実装を早め、輻輳制御の強化や運用の全自動化を目指す。
また、スマート監視機能の拡充やAIを活用した障害検知を開発し、迅速に異常検知をできるようにするとした。
■中期経営戦略
・注力領域の「金融事業」は順調
決済と金融取扱高と、auじぶん銀行のローン商品残高は順調に拡大。特にカードローン(じぶんローン)の融資残高は9月に2000億円を突破した。
・Ponta会員基盤を中心の金融サービスを目指す
「Ponta」会員は1億超の会員基盤となっており、ほかの金融サービスとの連携も含め、サービスの拡充を図る。
また、au PAYでは、お店の近くにいるau PAYアプリユーザーに即時でクーポンを発行する「au PAY グロースパック」を先月に提供開始。これにより集客など販促活動をサポートし、会員基盤の拡大を目指す。
・Starlinkの活用について
KDDIは、10月12日にSpaceX社と国内の法人企業や自治体への提供について契約を締結しており、2022年内の提供開始を目指している。日本は自然災害が多いが、これにより山間部や海上、災害時での通信に貢献し、デジタルデバイド解消を目指すとした。