パナソニック提唱、次世代PLC技術が国際標準規格として認定

2019年3月26日 15時56分更新


 パナソニックは、同社が提唱するIoT向けの次世代PLC技術を2018年6月にIEEE標準化協会に提案していたが、このたび国際標準規格「IEEE 1901a」として承認されたと発表した。
 
 IEEE 1901aは、「IoT(Internet of Things)PLC」と称する通信規格で、周波数帯域を利用状況に応じて制御することにより、通信距離の拡張および通信速度を切り替える機能を持つ、スケーラブルな通信を特長とする。
 同規格は、既にIEEE 1901規格として採用されている同社独自の「HD-PLC」の基本技術「Wavelet OFDM方式」(以下、標準モード)をベースに、新たに以下の機能を実現している。
 
・利用通信帯域を標準モードの2倍・4倍に広げ、2倍モードでは500 Mbpsの通信速度を可能にし、同軸線や専用線の利用を前提とする4倍モードでは、最大1 Gbpsの通信速度を実現。
・利用通信帯域を標準モードから2段階で縮小(1/2倍・1/4倍)することも可能で、通信速度は低下するものの、狭い帯域にエネルギーを集中させることで、標準モードの最大約2倍の通信距離を実現。
 
 こうした通信速度のモードを切り換えることにより、ユーザー毎のニーズにも柔軟に対応することができ、あらゆる場面で「HD-PLC」の活用が期待できるとのこと。
 
 同社は、今回の国際標準規格化されたIoT PLCを住空間における通信基盤技術の一つと位置づけるとともに、この技術を住空間だけでなく、ビル内や工場をはじめとした社会インフラまでをカバーする大規模ネットワークにも対応し、今後、幅広い分野への応用を検討していくという。
 
 今後は、同規格におけるIoT PLC技術のライセンス供与も行い、さらなる「HD-PLC」技術の進化を目指すとともに、HD-PLCアライアンスなどの団体を通じてIEEE 1901シリーズの対応商品間の相互接続性の確保に努めるとしている。
 
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