楽天モバイルとAST、2026年に衛星通信を活用した日本全域カバーの通信サービス提供へ

2024年2月19日 10時29分更新


2024年2月16日、楽天モバイルは米国のAST SpaceMobileと協力し、2026年内に日本国内で衛星と携帯電話の直接通信によるモバイル・ブロードバンド通信サービスを提供する計画を発表した。この計画では、テキストメッセージだけでなく音声通話やビデオ通話も市販のスマートフォンで利用できる予定だ。

日本は自然災害が多く、山岳地帯や離島が多い。衛星通信は地上の状況に左右されず携帯電話が利用可能であることから、低軌道衛星を使った通信サービスへの需要が高まっている。楽天モバイルとASTは、災害時や山間部・離島を含む日本全域をカバーする通信サービスを提供することを目指している。

楽天グループの三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、日本では一部の地域でモバイル通信が不十分な状況であり災害リスクも高まっている。この衛星通信の取り組みは、日本全体にモバイル通信を提供するための先進的なソリューションといった趣旨を述べた。

楽天モバイルとASTは、2020年3月に戦略的パートナーシップを締結し、これまでにも低軌道衛星とスマートフォンの直接通信を目指すプロジェクトを推進してきた。ASTは2022年9月に低軌道試験衛星「BlueWalker 3」を打ち上げ、2023年4月には英Vodafone、米AT&Tを含めた4社協力のもと世界初の市販スマートフォン同士の音声通話試験も成功させている。日本では、楽天モバイルが日本国内での実験へむけ準備を進めている段階だ。

これらの取り組みにより、市販スマートフォンと衛星との間で5G接続が実現し、音声通話やビデオ通話、ダウンロード速度などの通信が、市販スマートフォンでも利用可能になると見られている。

楽天モバイルリリース

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