CTC、ローカル5Gの技術検証が可能な専用スペースを平和島に開設

2022年1月7日 11時03分更新


 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、ローカル5Gの技術検証が可能な専用スペースをCTC平和島物流センター(東京都大田区)内に開設した。ローカル5Gに関連する機材やシステムを備えており、短期間でPoC(Proof of Concept、概念実証)の環境を構築することができるとのこと。ローカル5Gを活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)や新規ビジネスの創出に取り組む企業に同スペースを提供する。
 ローカル5Gは、特定のエリア内で独自の5Gネットワークを構築する無線システム。企業や自治体が、業務の改善及び、付加価値の創出を支える通信インフラとして注目している一方、ローカル5Gの導入には、電波法に基づく無線免許の取得に加えて、無線システムの運用も自社で行う必要があり、各申請の諸手続きや無線に関連したスキルなども求められる。
 今回開設した専用スペースは、ローカル5Gの機能やパフォーマンスについてPoCを実施できる施設となっている。導入に必要となる無線システムのコア設備やネットワーク機器、モバイル端末、セキュリティ製品などの通信環境が揃っており、短期間でネットワークの接続性(つながりやすさ)や通信速度の確認を含めたPoCが実施できる。実機を利用した技術検証を行うことで、実践的なスキルの習得にもつながるとのこと。
 また、自社の機器を持ち込むことも可能で、ベンダーと連携しながらの検証作業も実施できる。特にDXでは、データの効率的な収集や連携のためローカル5Gの活用に注目が集まっており、同専用スペースでも、大容量のデータ通信を利用してDXや新規ビジネスに向けたデータ連携や通信機能の確認が実施できる。AIやAR(拡張現実)の技術を活用した遠隔作業の支援ツールやAGV(無人搬送車:Automatic Guided Vehicle)のロボットを併用することで、例えば、工場内の作業や物流の自動化を目的とした検証も可能になりる。
 同スペースには、電波を外部に漏洩しないシートで囲んだ検証区画として「電波暗室」もあり、ローカル5Gに関連する免許の取得前でも無線通信の検証を行えるとのこと。
 ローカル5Gの導入に関連する手続きや作業には、CTCのグループ会社でITシステムの運用サービスを提供するCTCシステムマネジメント(CTCS)が、無線免許の取得を支援する業務、無線エリアを設計するシミュレーション、導入後の運用をサポートする遠隔監視などのサービスを提供。CTCSには、約25年にわたり衛星通信や放送事業の無線分野で顧客業務を支援してきた実績がある。

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