KDDIが自然災害時等における船舶型基地局を実用化、商用電波で試験へ
2016年4月1日 14時25分更新
KDDIは、2016年3月11日の関連法令改正を受け、これまでの陸上における車載型基地局の訓練に加え、船舶型基地局の訓練を2016年度以降実施していくことを発表した。
今回の法令改正により、これまでの実証実験とは異なり、商用の携帯電話の電波による試験を行うことで、実際の災害を想定した訓練が可能となる。
船舶型基地局は、災害時等における携帯電話エリアの復旧を目的とした無線基地局で、早期のエリア復旧により、災害時の救助・復興活動における連絡手段の確保に貢献できるとしている。
2011年の東日本大震災において、道路の寸断や光ケーブルの切断により陸路からの基地局復旧に困難を要した経験から、海側からのエリアを復旧が可能な船舶型基地局を実用化すべく、海上保安庁や関連機関の協力の下、専用の通信装置の開発や様々な実地試験を行ってきている。
■これまでの取り組み (経緯)
2012年6月:
「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会」に参加。(主催: 総務省中国総合通信局)
2012年11月:
広島県呉市における「携帯電話基地局の船上開設に向けた実証試験」を実施。
2013年3月:
実証実験の結果を踏まえ、「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会」において、調査検討のまとめを公表。
2014年5月:
鹿児島県肝属郡南大隅町にて携帯電話基地局の船上開設に関する実証実験を実施。(外洋における実証実験は国内初。)
2015年11月:
鹿児島県肝属郡南大隅町にて小型LTE携帯電話基地局の船上開設に関する実証実験を実施。(LTE基地局による実証実験は国内初。)