スマホ完結&無人運営 KDDI×ローソンの新型オフィスコンビニ

2025年7月25日 10時45分更新


 KDDIとローソンは、2025年7月に「TAKANAWA GATEWAY CITY」内のKDDI本社ビルに、オフィスワーカー向けの実験店舗「ローソン S KDDI高輪本社店」をオープンした。レジを設けず、スマホアプリを中心とした購買体験を通じて、生産性と利便性の向上を目指す。

 この店舗は、KDDI社員専用フロアに設置されており、ローソンとKDDIが共同で開発した「オフィスローソンアプリ」を軸に、スマホでの決済や商品のレコメンド、さらには配送ロボットによる商品デリバリーなどを実現する。オフィス内で完結する購買体験により、混雑回避や移動時間の短縮が可能となり、社員のストレス軽減やモチベーション向上が期待される。

<「ローソン S KDDI高輪本社店」店内>
<「ローソン S KDDI高輪本社店」外観>

 

 アプリでは、購買履歴に基づいて健康志向の商品をレコメンドしたり、タイムセールや栄養バランスに配慮した提案も行う予定。さらに、配送ロボットがエレベーターと連携して執務室まで商品を届けるなど、オフィスでの快適な働き方を支援する先進的な仕組みを搭載している。

 2025年8月には、在庫状況に応じたリアルタイムの価格変更を行う「ダイナミックプライシング」の導入も予定されており、フードロス削減にも貢献。10月以降はオフィス内の空きスペースを活用した無人販売所の展開も始まる予定だ。

 さらに将来的には、auのサービス利用情報やAIを組み合わせた高度なレコメンド機能の実装も計画されており、利用者の属性や行動に最適化された体験を提供していく構えだ。KDDIとローソンは、社員の声をもとに店舗機能を進化させながら、他社オフィスへの導入拡大も視野に入れて検証を続けていく。オフィスという日常の中に革新的な購買体験を組み込む試みは、働く環境の未来を形づくる新たな一歩となるだろう。

 このような試みは、今後のオフィス設計や福利厚生の在り方にも影響を与える可能性がある。従来のコンビニ機能にとどまらず、社員の健康や時間の有効活用、さらには企業の生産性向上にも寄与する「スマート福利厚生」の一環として、企業の間で注目が集まりそうだ。

 また、KDDIの持つ通信技術やIoT基盤を活用することで、リアルタイムな行動分析や購買データの解析を通じて、さらなる最適化が進むと見られている。オフィスワーカー一人ひとりのニーズに寄り添うこのモデルは、多様化する働き方への対応策として、今後他業種でも横展開が期待される。ローソンとKDDIによる「Real×Tech」店舗の挑戦は、オフィスとテクノロジーの融合が生み出す新しい可能性を示している。

参考URL:http://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-656_4020.html

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