T-Mobile、衛星通信「T-Satellite」正式開始

2025年7月24日 11時34分更新


 米T-Mobileは2025年7月23日、衛星通信によるメッセージサービス「T-Satellite」を正式に開始したと発表した。専用端末や設定は不要で、過去4年以内に発売されたほとんどのスマートフォンで利用できる。すでに180万人がベータプログラムに参加しており、他キャリア(VerizonやAT&T)ユーザーも数万人含まれているという。

「T-Satellite」は、携帯電話の圏外エリアでも既存のスマートフォンからSMSやMMSによるメッセージ送信を可能にする新サービスだ。T-Mobileの「Experience Beyond」プラン利用者であれば追加料金なしで利用でき、他キャリアのユーザーも月額10ドルで利用可能となる。対応コンテンツはテキストメッセージ(SMS/MMS)のほか、画像、音声クリップ(Android端末のみ)にも及ぶ。

さらに、2025年10月には、アプリ向けの衛星データ通信サービスも提供開始を予定している。対象アプリにはAccuWeather、Google、WhatsAppなどが含まれ、地図や天気情報の取得、緊急時におけるSNS利用など、多様なユースケースでの活用が期待されている。

くわえて、2025年後半には、通信キャリアや「T-Satellite」の契約に関係なく、対応端末を所持するすべてのユーザーに対し、緊急通報911のテキストメッセージ機能を提供する予定だ。

衛星接続のトレンドはT-Mobileにとどまらず、業界全体へと広がりを見せている。2024年2月には、衛星通信事業者5社が「移動体衛星サービス協会(Mobile Satellite Services Association:MSSA)」を設立し、取り組みを加速。日本でも2025年4月、KDDIが直接接続型の衛星通信サービス「au Starlink Direct」を開始、続いて楽天モバイルが「Rakuten最強衛星サービス」するなど、既存スマートフォンでの衛星通信対応は世界的な潮流となりつつある。

T-Mobileリリース
1.https://www.t-mobile.com/news/network/t-satellite-now-available
2.https://www.t-mobile.com/news/network/best-network-in-america

関連カテゴリー