ソリューションサービスの日本売上は、6兆5,432億円、前年比103.3%と好調  

2020年9月17日 12時51分更新


 電子情報技術産業協会(JEITA)は、利活用分野別のソリューションサービス市場規模について、時系列的な推移を継続的に把握することを目的とし、「JEITAソリューションサービス市場規模調査」を実施しており、このたび、2019年度の調査結果である「利活用分野別ソリューションサービス市場規模(2018-2019年度)」を発表した。
 JEITAは2020年度の活動指針に「Society 5.0の推進」を掲げており、ソリューションサービスにおいても、新たな成長分野の社会への貢献度を指標化し、利活用分野別統計の精度向上に努めるとともに、利活用分野別の状況や傾向、見通しなどの発信を通して、市場の発展に貢献していくとしている。デジタルトランスフォーションの推進はSociety 5.0に繋がる重要な取り組みである。
 分類は、当初各社のデータ公開状況を踏まえて、 種類別(SI 開発、ソフトウェア、アウトソーシング・その他サービスの3 分類)で開始。2016年度より、利活用分野での新たな価値創造が主要命題とのニーズを受け、利活用分野別と海外向けの分類を加え現在に至る。

●ソリューションサービス市場規模(日本売上・海外売上)

 2019年度における国内企業(JEITA会員企業)のソリューションサービス市場規模は、7兆7,752億円、前年比100.5%とプラス成長となった。うち、日本売上は、6兆5,432億円、前年比103.3%と好調に推移し、日本売上の構成比は84.2%となった。国内での旺盛なIT投資拡大を背景に市場は拡大し、2年連続で6兆円を超える売上を記録した。また、海外売上は、1兆2,320億円、前年比87.9%となり、日本売上に海外売上を加えた、グローバル売上合計では、7兆7,752億円、前年比100.5%とプラス成長となった。
 利活用分野別では、「製造」が1兆3,158億円、前年比107.0%(構成比16.9%)とスマートファクトリへの対応等によりプラス成長し最大構成となった。「製造」の内数である「自動車」が同108.3%と好調であった。次いで「公務」が1兆3,023億円、前年比103.9%(構成比16.7%)と政府のインフラ投資促進等を背景に好調に推移し「製造」に次いで高い構成比となっている。さらに「金融」が1兆1,066億円、前年比101.6%(構成比14.2%)と好調に推移した。「サービス」「社会インフラ」の利活用分野でも前年と比較してプラス成長となり、中でも「社会インフラ」の内数である「エネルギー」で同113.9%と最も高い成長を示した。
 種類別(日本売上)では、最大構成の「SI開発」が3兆3,521億円、前年比106.0%、また「ソフトウェア」は、7,896億円、前年比110.6%とプラス成長となった。一方、「アウトソーシング・その他サービス」は2兆4,015億円、前年比97.7%であった。

①ソリューションサービス国内市場の動向把握(2002 年~)
 ソフトウェアおよびソリューションサービス市場の把握のため、2002 年度より、3分類(①SI 開発、②ソフトウェア、③アウトソーシングその他サービス)に分けて自主統計を実施。

②ソリューションサービス市場の利活用分野別と海外向け
 2016 年度から利活用分野別(業種別)および、海外の分類を追加した自主統計を実施

【調査概要】
調査期間:2018‐2019年度の実績調査
調査対象:2018年4月1日~2020年3月31日にソリューションサービスの売上計上があったJEITA正会員企業30社

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