ヒートショックの危険度をLINEで知らせる「入浴時警戒情報」の登録者が350人を突破

2025年1月9日 10時00分更新


 2025年1月7日のエクセル・クリエイツの発表では、鹿児島大学が組んで進めている産学連携プロジェクト、登録者数が350人を突破した。

 大阪の医療機関向けソフトウェア会社、株式会社エクセル・クリエイツ。鹿児島大学・林敬人教授と手を組み、LINEでヒートショックの危険度を知らせる「入浴時警戒情報」を配信している。LINEに登録すると、住んでいる地域の入浴時警戒情報が毎日16:00に届く。

 この配信、2023年11月からスタート。今年で2年目。昨年は、LINE登録者のほとんどを占める60代以下で、入浴死が明らかに減った。

 エクセル・クリエイツがシステムから得た情報を林教授に提供。これにより精度をさらに高め、ゆくゆくは鹿児島だけでなく、日本全国に広げる計画だ。(別途各県における事例の調査が必要)

配信画面イメージ
3段階の危険指数

サービス開始の背景と経緯

 毎年冬になると、ヒートショックで亡くなる人が後を絶たない。人口動態統計によると、2023年の「不慮の溺水及び溺死」による死亡者のうち、約8割が浴槽内での溺死。そしてその9割以上が65歳以上の高齢者だ。

 ヒートショックの原因は、部屋と脱衣所、浴室の温度差が激しいこと。北海道や東北のような寒い地域で起こりやすいと思われがちだが、実は九州や四国の方が多く、鹿児島では毎年約200人が浴室で亡くなり、その約8割がヒートショックによるものとみられている。

これまでの実績と今後の展開

 エクセル・クリエイツは、登録者の年齢や住んでいる地域、入浴方法などのデータを収集。それを林教授に提供し、効果を分析し、精度を向上させている。2023年度の実績を見ると、LINE登録者のほとんどを占める60代以下で、入浴死者数・割合ともに明らかに減少。今後は、よりリスクの高い70代以上の人たちに、入浴時警戒情報を広める必要があると考え、広報活動に力を入れる方針だ。

開発者コメント

 高齢者の方にも安心して使ってもらえるよう、国内で95%という高い利用率を誇るLINEをプラットフォームに選んだ。特に60代でも86%が利用しているという点は、ヒートショック対策が特に重要な高齢者層にアプローチする上で大きなポイントだった。

 16:00に警戒情報の配信に加え、いつでもボタンを押すだけで危険度を確認できるというこのサービスの利点が、ヒートショックによる事故防止に貢献できればと考えている。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000153286.html

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