ソフトバンク、DC自動化に向けケーブルレスのサーバーラック発表
2025年9月9日 09時00分更新

ソフトバンクは2025年9月8日、データセンターの設備構築や保守作業をロボットで自動化の実現に向け、ケーブルレス構造の「ロボットフレンドリーなサーバーラック」を開発したと発表した。この革新的なラックは、サーバーの設置や撤去、故障時の交換、点検といった作業を完全に自動化することを目指しているという。
ケーブルレス構造で作業の自動化を実現
従来、データセンター内のサーバーラックは、無数のケーブルが複雑に絡み合っており、このケーブル管理がロボットによる作業自動化の大きな障壁となっていた。ソフトバンクは、この問題を解決するために、ケーブルレスで接続できるサーバーラックを開発。電源、冷却、通信のすべてをケーブルなしで接続できる設計により、ロボットはサーバーをラックに「押し込むだけ」で、すべての接続が完了する仕組みだ。
具体的には、ラック背面の金属バーから電源を供給する「バスバー方式」や、水冷用部品を差し込むだけで接続可能な「ブラインドメイト式コネクター」、さらに、ソフトバンクが独自に設計した光信号を利用する「光コネクター」アーキテクチャーが採用されており、これによりサーバー設置時の手間を大幅に削減することができる。

汎用性と拡張性を兼ね備えた設計
新たに開発されたサーバーラックは、EIA規格(幅19インチ)に準拠しており、市販の汎用サーバーにも対応可能だ。ソフトバンクが独自に設計したアダプターを含む接続機器と内部構造により、ラック内のサーバー設置がケーブルレスで行える。この高い汎用性と拡張性により、エンタープライズ向けの多様なニーズにも対応可能となり、幅広い用途での導入が期待されている。
また、このラックは、ハードウェア仕様の標準化と効率化を進める「Open Compute Project(OCP)」のORV3規格に準拠しており、液体冷却にも対応している。これにより、次世代のデータセンター向けに求められる高度な冷却技術にも対応可能な設計となっている。
ソフトバンクは、パートナー企業との協力により、AMR(自律走行搬送ロボット)やAGF(無人搬送フォークリフト)などの開発にも取り組んでいる。この新型サーバーラックは2026年度に開業予定の「北海道苫小牧AIデータセンター」において、ロボットによる作業自動化を実現のため検証を進めていく予定だ。
ソフトバンクリリース:https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20250908_01/
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